新外国人投手としてテイラー・スコット投手との契約が合意に至りました。
今回はテイラー・スコット投手のこれまでのキャリアについて話を進めていきます。
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テイラー・スコット投手と契約合意
12月2日にテイラー・スコット投手との契約が発表されました。
マスコミ各社に向けて発表された契約状況は以下の通りです。
- Tayler James Scott
- 1992年6月1日
- 190cm、83kg
- 右投げ・右打ち
- 契約金1930万円、年俸5780万円
- 背番号 70
日本のマスコミに対し、広報を通じて以下のようにコメントもしています。
「日本のプロ野球界でプレーする素晴らしい機会を与えてくださった球団に感謝します。また、新しいチームメイトに会える事と日本の野球を学ぶ事をとても楽しみにしています。目標はチームの勝利に貢献して、最終的に優勝する事です。」
~広島東洋カープ https://www.carp.co.jp/news19/n-384.html (現在は削除)
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① アメリカでのキャリア
まずはアメリカでのキャリアを振り返っていきます。
概要 | |
---|---|
2011年 | MLBドラフトでシカゴ・カブスから5位指名 |
2011年 | シカゴ・カブスとマイナー契約 |
2016年 | 4月に独立リーグのスーシティエクスプローラーに所属 |
2016年 | 7月にミルウォーキー・ブリュワーズとマイナー契約 |
2017年 | 7月にテキサス・レンジャースとマイナー契約 |
2019年 | シアトル・マリナーズとマイナー契約 |
2019年 | 6月8日にメジャーデビュー |
2019年 | 6月にボルティモア・オリオールズとマイナー契約 |
2019年に南アフリカ出身の投手で初のメジャーデビューを果たしました。
ここまでのプロ選手としてのキャリアのほとんどはマイナー生活です。
[ 2012年 Boise Hawks ]

② メジャーリーグでの成績
続いて、2019年のシーズン成績を振り返ります。
上段がマイナー成績、下段がメジャー成績になります。
概要 | |
---|---|
2019年 AAA | 33試合(51回0/3) 3勝2敗 4.59 |
2019年 MLB | 13試合(16回1/3) 0勝0敗 14.33 |
次にMLBでの通算成績は以下の通りとなります。
概要 | |
---|---|
MINOR通算 | 248試合(606回2/3) 40勝36敗 3.86 |
MLB通算 | 13試合( 16回1/3) 0勝 0敗 14.33 |
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投手キャリアの多くは「リリーフ登板」
プロ入りした2011年からの年間登板数をみていきます。
メジャーとマイナー通算261試合の登板のうち、先発したのは66試合でした。
2012年から2014年の間は先発の役割を果たし、以下はリリーフを担当。
特に2016年以降は毎年リリーフで40試合以上の登板数を記録しています。
ただ、2013~2014年には先発で130イニング以上に登板した実績も。
2016年のヘーゲンズ投手のように先発の谷間で投げる可能性もあります。
図1 登板試合数
① 球種や投球タイプは?
球種をみていくと、主に投げているのは3種類。
4シームとシンカーとスライダーで、8割近くを変化球が占めます。
ただ、2019年のデータをみてもさほど特筆すべき球種は正直ありません。
特にMLBにあがった登板では4シームの投球割合が大きく減少しています。
そのことから考えても、4シーム自体があまり効果的ではないとも取れます。
報道では最速155km/hの触れ込みですが、さほど威力が無いのかも知れません。
図2 投球割合
マイナーのみでみると2017年以降は比較的三振も多く取れています。
プロ入りから通じてゴロ打球が多く、ゴロボーラー寄りと言えます。
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アフリカ出身の初のMLB選手は「ギフト・ンゴエペ選手」
アフリカ出身の初のMLB選手はギフト・ンゴエペ選手(Mpho’ Gift Ngoepe)。
2008年にピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約を結んでいます。
その後、2017年にシカゴ・カブス戦で二塁手としてメジャーデビュー。
目立った成績は残せていませんが、アフリカ出身選手としてMLBに歴史を刻みました。
成績 | |
---|---|
打撃通算 | 41試合 0本 6打点 .181 (13/72) |
守備通算 | 二塁 20試合、三塁 3試合、遊撃 6試合 |

① 弟のビクター・ンゴエペ選手もパイレーツと契約
ちなみに弟のビクター・ンゴエペ選手(Victor Ngoepe)もパイレーツと契約。
兄と同じキャリアを歩みながら、メジャーデビューを目指しています。

追記 : 2019年11月にパイレーツがリリース
② 2019年にMLBに在籍したアフリカ出身選手は6人
2019年にMLBに在籍したアフリカ出身の選手は以下の6選手。
ただ、テイラー・スコット投手とキラー・ラブグローブ投手は10代前半にアメリカ移住しています。
- テイラー・スコット投手 (Tayler James Scott)
- ギフト・ンゴエペ選手 (Mpho’ Gift Ngoepe)
- ビクター・ンゴエペ選手 (Victor Ngoepe)
- キラー・ラブグローブ投手 (Kieran Lovegrove)
- アンソニー・フリップス選手 (Anthony Phillips)
- ビンス・デイゼル投手 (Vince Deyzel)
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ここまでわかったこと
ここまでわかったことをまとめます。
- アメリカではMLB5球団、独立リーグ1球団でプレー
- 南アフリカ出身で初のメジャーリーガー
- アメリカでは主にリリーフとして起用される
- スライダーとシンカーが投球の8割
- マイナーでは三振も多く、ゴロボーラーの傾向
- DJ.ジョンソン投手との1軍枠争いが予想される
今回のまとめ
今回はテイラー・スコット投手の話を中心に進めてきました。
正直、アメリカでのプロ選手のキャリアは乏しいのが現実です。
DJ.スコット投手との外国人の1軍枠の争いが予想されます。
2020年のリリーフ陣も外国人頼りになるのは間違いないでしょう。
どの投手がそこに絡んでくるかは現時点ではわかりません。
アメリカでの実績があるからといって活躍する訳でもありません。
逆に全く実績のない選手が日本にフィットすることは多々あります。
いずれにせよ、いずれかの投手の台頭が無ければ苦しい台所事情。
近年、上位のチームには優秀な外国人リリーフが存在します。
2020年の新外国人投手たちのフル回転の活躍を期待しています。
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