【 先発投手の球種 】2019年の球種は5~7球種、増加するカットボールとチェンジアップ

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JUNJUN
16年目の医療系国家資格取得者で野球を中心に活動。
現在は
『法律』も勉強中。
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投手の持ち球はその時代に合わせて「数」や「球種」などが変化しています。
今回は先発投手の「持ち球」を調査し、そのトレンドと変化について話を進めていきます。

 

2019年の先発投手の球種数は「5~7球種」

 

まずは各投手が投げている”球種の数”をグラフ化しました。
おおむねほとんどの投手が5球種を投げているのがわかります。

有原航平投手と小川泰弘投手が最多の7球種を投げています。
次いで千賀滉大投手や大瀬良大地投手などが6人が6球種で並んでいます。

高橋礼投手が3球種と極端に少ないのも特徴的です。
先発投手でここまで少ないのもフォームが関係しているためでしょう。

 

図3 先発投手の球種数

 

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① 2019年の先発投手の定番は「スライダー」

 

2019年に先発投手の球種割合をグラフ化しました。
ここでは規定投球回数に到達した15人の投手のみとします。

基本的に多くの先発投手が複数の球種を投げ分けることがわかります。
そのため、2人の投手を除いてストレート割合は50%に達していません

 

図1 2019年の先発投手の球種割合

 

次に球種別に何人がその球種を投げているのかをグラフしました。
見ての通り、ストレートとスライダーは全投手が投球しています。

現在は“スライダー系の全盛期”と言っても良いかも知れません。
さらに細かく区別して「スラッター」と呼ばれる球種も存在します。

反対にシンカーを投げる投手はたった1人でした。
2019年に限っては「シンカー投手」は貴重な存在だったようです。

 

図2 2019年の先発投手の球種別比較

 

② 先発投手の持ち球として少ない「シンカー」

 

かつては潮崎哲也投手や高津臣吾投手の代名詞だった”シンカー”。
規定投球回数に限れば少ない傾向のシンカーですが、未達の先発投手に数名います。

以下に90イニング以上登板してシンカーを投げた先発投手をピックアップしました。
上記の条件で、シンカーを投げた投手が49人中7人とやはり少ない割合でした。

本当の”シンカー投手”と呼べるのは石川歩投手と大野雄大投手の2人程度。
ちなみに、スライダーを投げた投手が49人中45人なのでその少なさがわかります。

 

図4 90イニング以上登板したシンカーを投げる先発投手

 

2015年以降の「持ち球」の増減変化

 

2015年以降の先発投手たちの「持ち球」の増減変化を紹介します。
傾向として、以下のような3つのタイプに分けることが出来ました。

  • スライダー・カーブ・シンカー ⇨ 大きな変化なし
  • ツーシーム・スプリット ⇨ 減少傾向
  • カットボール・チェンジアップ ⇨ 増加傾向

カットボールに関してはイメージ通り増加する傾向にありました。
近年、頻繁にカットボールが取り上げられていて“トレンド”と言えます。

チェンジアップもスライダーと”対局のボール”として増えた印象です。
2018年あたりから前田健太投手もチェンジアップを取り入れていました。

逆に数年前に注目されていたツーシームは減少傾向にあります。
黒田博樹投手の復帰時に注目されていたので記憶があるかと思います。

また、スプリットに関してもピーク時よりも大幅に減少しています。
スライダーなど横の変化が主流の今は好まれない球種なのかも知れません。

スプリットに関しては肘への負担も懸念されていたりもします。
詳細はここでは記載しませんが、一部でそういった研究報告もあります。

 

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① 「スプリット」と「チェンジアップ」は相補的な関係

 

スプリットが減少し、チェンジアップが増加した話をしました。
傾向として、2球種の増減は「相補的な関係」にあるように思います。

数年前からスプリットによる肘への負担が報告されています。
実際に報告や考察ではありますが、そういったデータが散見されるのも事実です。

そのリスクを回避するため、代用されたのがチェンジアップかも知れません。
落ちる球種を”置き換える”ことで肘への負担を軽減できる可能性も考えられます。

いずれにせよ、2つの球種が入れ替わっている現象は起きているのは事実です。
ストレスの少ない球種に変更していくことは妥当な対策と考えられます。

 

② 「チェンジアップ」で活躍したザック・ニール投手

 

2019年に最も「チェンジアップ」を投げたのがザック・ニール投手。
ただし、チェンジアップとメディアでは表現されていますが、実際は「スプリットチェンジ」。

スプリットとチェンジアップを合わせた握りをすることで「中間球」を再現しています。
ただ、カットボールを投げる割合の方が多く、ニール投手には最も有効球となっています。

「スプリットチェンジ」と言えば、ティム・リンスカム投手が思い浮かびます。
サイヤング賞を2度ほど獲得した投手も2018年に解雇され、今は何をしているのか不明です。

MLBではその他にも多くの投手がこのスプリットチェンジを投げています。

 

③ 「スプリットチェンジ」で活躍する前田健太投手

 

2018年からチェンジアップが効果的に使え始めた前田健太投手。
前田健太投手が投げるチェンジアップも、ニール投手同様に「スプリットチェンジ」。

“落ちる球”に関しては、2011年にフォーク、2014年にスプリットに挑戦しています。
しかし、フォークやスプリットを苦手としたため、この“中間球”を採用したようです。

チェンジアップをスプリットに近い形で落とすことで「有効球」と使えています。
2018年のチェンジアップの被打率は.164とMLBの中でもトップを記録しました。
また、チェンジアップの奪三振率も47.6%とMLBの中で4位で、先発投手では1位。

実際にチェンジアップの縦の変化量も増加しており、大きく落とすことに成功しています。
従来の握りよりも外に逃げていく要素も減少し、よりスプリットに近い形となりました。

 

球種分類は「分類する人」によって左右される

 

2019年には松坂大輔投手も「スプリットチェンジ」を採用しています。
スプリットチェンジ自体はレッドソックス時代の2010年から投げていたようです。

ただ、日本復帰後に関してはさほどチェンジアップは投じてきていません。
2020年は同僚のニール投手にアドバイスを貰い、オープン戦で投じる姿も見られました。

ここで面白いのが、”とある球種分類”では、この球は「スプリット」に分類されています。
つまり、中間球などは分類する人によってどの球種に振り分けられるか分かれます

このように、中間球に関してはどちらの球種なのか判断しにくいのが現状です。
正確に振り分けようと思うと、実際のボールの握り方まで確認していく必要があります。

近年は様々な握り方で特殊な変化をする変化球を投げる投手がたくさんいます。
どこでどう判断するのかが難しくなってきており、何か基準を設けることも必要ですね。

 

野球中継の「球種表示」が少なくなった

 

以前は多くの中継でカウント表示の近くに球種が表示されていました。
最近は中間球の増加により判断しにくのか「球種を表示」する中継が減少しました

また、解説者や実況も同様に以前ほど球種に言及することが少なくなりました。
「変化球」と言ったり、おおまかに「落ちる球」などと表現することが増えています。

確かに事前に持ち球の情報がない場合は球種がわかりにくいことがあります。
「特殊な変化をする球」を投げる新外国人ではそういったことは実際にあります。

 

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ここまでわかったこと

 

ここまでわかったことをまとめます。

  • 先発投手の持ち球はおおよそ「5~7球種」
  • 多くの投手はスライダーを投げ、シンカーは少ない
  • ツーシームとスプリットは減少傾向
  • カットボールとチェンジアップは増加傾向
  • スプリットとチェンジアップは相補的関係
  • 近年は「中間球」を投げる投手が多く存在する
  • 球種の分類は人によって左右されやすい

 

「先発投手の球種」のまとめ

 

今回は先発投手の持ち球の話を中心に進めてきました。
ストレートやスライダーなど基本的な球種はほとんどの投手が投げています。

反面、「横に動く球」や「落ちる球」は時代により変化していました。
MLBの影響や障害報告や注目選手の影響など、その時のトレンドが存在します。

現在はカットボールやチェンジアップを投げる投手が増加しています。
ただし、この傾向も2年後くらいに別のトレンドへと変わることが予想できます。

打者のレベルもあがり、慣れなど多くが影響してくるのでそれも当然です。
そうやって駆け引きを繰り返しながら、双方がレベルアップしていくのでしょう。

先発投手の球種の傾向はその時代その時代で変化していきます。
そう考えると、器用に使い分けができる先発投手は活躍できる投手かも知れません。

 

 

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