【 先発投手の価値変化 】年々減少していく「規定投球回数達成者」と変わりゆく「先発に対する価値観」

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2019年の公式戦シーズンも終わり、規定投球回数達成者が決定した。
今回は規定投球回数を中心に先発投手の投球回数を中心に話を進めていきます。

 

減り続ける「規定投球回」達成者

 

2005年以降の12球団の規定投球回数達成者をグラフ化した。
以前は、先発は「長いイニングを投げる」ことに重きを置かれていた。
年度により上下幅があり、平均して同じ人数が達成している訳ではない。
ただ、2013年頃より達成者数は減少傾向で2018年からは急激に減った。

図1 2005年以降の規定投球回達成者数

 

リーグによる違いはあるのか?

 

ある程度の上下動はあるが、やはり両リーグともに減少傾向にある。
セ・リーグにおいては2013年からはグラフは奇麗に漸減している。
パ・リーグは上下動が激しいが、2017年からは同様に漸減している。
特に2019年はパ・リーグで6人しか達成者がいない過去最少となった。

図2 2005年以降のリーグ別規定投球回達成者数

 

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過去6年間の達成者の達成回数

 

2014年以降の規定投球回達成者の達成回数をグラフ化した。
セ・リーグでは菅野智之投手とメッセンジャー投手が5回でトップ。
次いで、大野雄大投手、大瀬良大地投手、ジョンソン投手が3回で並ぶ。

パ・リーグでは則本昂大投手と涌井秀章投手が同様に5回でトップ。
次いで、西勇輝投手が3回を記録している。
しかし、西投手は2019年はセ・リーグで達成したため計4回となる。

過去6年で4~5回達成している投手たちのチームへの貢献度は大きい。
投球内容に差があれど、それだけのイニングを消化してくれるだけ価値がある。
また、大きなケガも少なく、安定して投球出来ているからこその記録である。
2019年の菅野投手と則本投手はケガに泣いたが、それまでの貢献度はかなり高い。

図3 過去6年間のセ・リーグ規定投球回達成者の達成回数

図4 過去6年間のパ・リーグ規定投球回達成者の達成回数

 

先発投手全体の投球回も減り続ける

 

ここでは規定投球回達成者以外の先発投手も加えて考えていく。
規定投球回達成者数の減少だけでなく、先発全体の投球回も漸減している。
セ・リーグは2016年以降は漸減し、パ・リーグは2019年から急激に減少した。
そもそも先発投手全体が減少傾向なため、当然、規定投球回達成者は減少する。

図5 過去6年間の先発全体の投球回数

 

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年々悪化していく先発の防御率

 

投球回数と同様に先発全体の防御率も悪化する傾向にある。
やはり2018年からは特に悪化してきている様子がグラフからもわかる。
つまり、防御率の悪化に伴い投球回数の減少が連動しているようだ。
意図的に短いイニングで先発を降板させている訳ではないのだろう。

図6 過去6年間の先発全体の防御率

 

導入され始めた「オープナー」の影響も?

 

MLBでは「オープナー」という中継ぎ投手に先発させる戦術がある。
近年はトレンドとして強打者が打順の最初に並ぶことが多くなってきている。
そのため、1回は強打者から始まるため、中継ぎで力のある投手を当てる。
そして、本来の先発は2回または3回あたりから登板していく。
立ち上がりは強打者は避けて、少し楽な場面から登板していくスタイルだ。

日本球界では日本ハムが積極的に取り入れている。
開幕当初は斎藤祐樹投手、加藤貴之投手、金子千尋投手などが務めた。
また、DeNAでは国吉佑樹投手を登板させるなどが見られた。
そして先日は巨人では澤村拓一投手が登板する機会もあった。

ただ、導入初年度ということもあるのだろうか。
結果的に導入が上手くいっているようには感じないのが印象である。
特に多く導入している日本ハムが結果を出せなかったため仕方ない。
とはいえ、まだ複数年で長期的に試した訳でもないのも事実。
首脳陣の戦術としてもまだまだ完成形とは言えない段階にある。

また、よく見ればほとんどが元々は先発投手ばかりの面子である。
本来の力のある「中継ぎ」という意味では少し違うかも知れない。
例えば、エスコバー投手や平井克典投手などが投げる方がしっくりくる。

とはいえ、オープナー自体がダメという結果が出た訳ではない。
年々、打者の能力が上がり、投手の球速も上がってきている。
先発投手が固定し難くなってきた現在の野球ではこういう戦術もありだろう。
ガチガチの定番戦術よりも、少しこういった遊びの部分もファンは楽しめる。
チームとしても結果を求めるのも勿論だが、話題作りにもなるだろう。
今後、日本でオープナーがどういった形になったいくかを楽しみにしたい。

 

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ここまでわかったこと

 

ここまでわかったことをまとめてみよう。

  • 規定投球回数達成者は年々減少傾向
  • 2018年からは顕著に減少傾向
  • セ・リーグとパ・リーグで大きな差はない
  • 達成回数トップは菅野投手ら4人のみ
  • 先発投手全体の投球回数も減少傾向
  • 先発投手全体の防御率も悪化傾向
  • 今後のオープナーの動向が気になる

 

今回のまとめ

 

今回は先発の投球回数を中心に話を進めてきた。
年々、規定投球回数達成者は減少していることがわかった。
時代と共に野球は変化し、それに伴い先発の役目・価値観も変わっている。

打者の技術は急激に向上し、長打力のある打者も増加した。
また、投手の投球スタイルも強い球を投げ込むスタイルに変化しつつある。

先発ローテを固定するのも難しい時代になってきているの事実。
レベルが上がれば打者に比べて投手の負担の方がどうしても多くなる。
今後はチームとしてそれをどう補っていくかも大事になるだろう。
「第2先発」のような先発2枚を繋ぐケースも増えるかも知れない。

とは言え、繰り返しなるが圧倒的な投球を見せる先発投手は見たい。
個人的には先発して完投することを目指す先発が増えていってほしい。

変わりつつある先発投手の立ち位置。
今後の先発の価値観の変化を楽しみながら活躍を期待したい。

 

 

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