【 “規定投球回数”を達成できるのか 】森下暢仁投手への期待と歴代カープエースたちの記録

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ジェイジェイ
16年目の医療系国家資格取得者で野球を中心に活動し、大学で『法律』を専攻。
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2020年もシーズン終盤となり規定投球回数到達者の候補がみえてきました。
今回は歴代の投手たちも振り返り、カープの規定投球回数到達者について考えます。

 

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規定投球回数の概論

 

1リーグ制の1936年から採用され、現在の基準となったのは1966年からです。
ただし、年間試合数の変更によって達成ラインは度々変更されてきています。

[ 規定投球回数の規定 ]

  • 1軍規定 試合数 × 1.0
  • 2軍規定 試合数 × 0.8

 

① 規定投球回数の変化

 

[ 2009年以降の規定投球回数 ]

セ・リーグ パ・リーグ 備考
1990~1996 試合数×1.0 130
1997~2000 試合数×1.0 135
2001~2003 140 140
2004 138 133 2004 アテネ五輪派遣選手の特別措置
2005~2006 146 136
2007~2014 144 144 2008 北京五輪派遣選手の特別措置
2015~ 143 143

 

2004年の和田毅投手はアテネ五輪派遣選手の特別措置が適用されました。
当時は規定投球回数には133回を必要でしたが、派遣期間を考慮され、128回1/3で達成しています。

[ 2004年 和田毅投手のシーズン成績 ]

19試合 10勝6敗 防御率 4.35 128回1/3

 

② 2020年の規定投球回数

 

2020年の公式戦試合数はコロナウイルスの影響で120試合となっています。
それを元に計算される2020年の規定投球回数は以下の通りです。

2020年規定投球回数 120試合×1.0 = 120回

 

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2020年セ・リーグの規定投球回数到達者は5人

 

現時点でセ・リーグの規定投球回数到達者は6人。
カープでは森下暢仁投手と九里亜蓮投手が達成する可能性があります。

[ 2020年セ・リーグの規定投球回数到達者 ]

  • 阪神 西勇輝 (132回)
  • 中日 大野雄大 (126回2/3)
  • 巨人 菅野智之 (120回1/3)
  • カープ 森下暢仁 (105回2/3)
  • カープ 九里亜蓮 (105回)
  • ヤクルト 小川泰弘 (101回1/3)

 

① 森下暢仁投手の規定投球回数到達は可能

 

森下暢仁投手のここまでの投球内容を振り返ります。

投球回 失点 自責点 QS 勝敗 防御率 (推移)
6/21 7回 0 0 0.00
6/28 8回2/3 3 3 1.72
7/9 5回 2 2 2.18
7/23 6回 2 2 2.36
7/31 5回 2 2 2.56
8/7 6回 4 3 2.87
8/14 9回 0 0 2.31
8/21 8回 1 1 2.14
8/28 7回 2 2 2.19
9/4 3回 5 3 2.51
9/10 7回 1 1 2.39
9/19 7回 2 2 2.40
9/26 7回 4 4 2.63
10/3 7回 0 0 2.43
10/10 6回 0 0 2.28
10/17 7回 1 1 2.21

規定投球回数到達まで、残り14回1/3が必要です。
中6日のペースで投げる場合、残りの登板数は多くて3試合。

1試合平均で換算すると全試合5回を投げると到達します。
これまで通りなら可能ですが、早い回での降板があると厳しいです。

規定投球回数 3試合×5回 = 15回
➡ 不足している14回1/3をクリア

 

② 2020年はDeNAとソフトバンクは厳しい状況

 

現時点で規定投球到達者がいないのはDeNAとソフトバンクです。

[ DeNA ]

通算成績 不足回
大貫晋一 16試合 9勝5敗 2.38 94回2/3 25回1/3

[ ソフトバンク ]

通算成績 不足回
千賀滉大 16試合 9勝6敗 2.49 105回 15回
東浜巨 16試合 8勝1敗 2.34 96回1/3 23回2/3
石川柊太 15試合 8勝3敗 2.63 95回2/3 24回1/3

残りの登板試合数はおよそ2試合程度と考えられます。
可能性があるのは千賀滉大投手がギリギリといった状況です。

もし予定通りの2試合なら全試合8回を投げる必要があります。
森下暢仁投手と同様に、達成が少し厳しい状況にはなっています。

未達の場合、DeNAは球団初、ソフトバンクは2018年以来の2度。
ともに先発陣の離脱が目立ち、リリーフ陣の負担が大きくなっています

 

③ 過去の規定投球回数到達者0人のチーム

 

過去に規定投球回数到達者が0人だったチームは延べ6度でした。
みてわかる通り、2000年代に入ってポツポツと記録されるようになりました。

[ 規定投球回数が0人 ]

チーム
 1998年  オリックスブルーウェーブ 
 2003年  オリックスブルーウェーブ 
 2007年  阪神タイガース
 2008年  中日ドラゴンズ
 2016年  中日ドラゴンズ
 2018年  福岡ソフトバンクホークス 

 

理由としては、登板間隔、継投、球数制限などの影響など様々あります。
また、近年はオープナー、ショートスターターも採用され投球回減少が加速しています。

 

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2010年以降のカープ規定投球回数到達者

 

2010年以降の規定投球回数到達者は以下の通りです。

[ 2010年以降の規定投球回数 ]

規定投球回数達成者
2010 前田健太 (215.2)
2011 前田健太 (216)、ブライアン・バリントン (204.1)、福井優也 (146.1)
2012 前田健太 (206.1)、ブライアン・バリントン (175.2)、野村祐輔 (172.2)、大竹寛 (144.2)
2013 前田健太 (175.2)、ブライアン・バリントン (172.2)、大竹寛 (163.0)、野村祐輔 (149.1)
2014 前田健太 (187.0)、大瀬良大地 (151.0)
2015 前田健太 (206.1)、クリス・ジョンソン (194.1)、黒田博樹 (169.2)
2016 クリス・ジョンソン (180.1)、野村祐輔 (152.2)、黒田博樹 (151.2)
2017 野村祐輔 (155.1)、大瀬良大地 (145.2)
2018 大瀬良大地 (182.0)、クリス・ジョンソン (144.2)
2019 大瀬良大地 (173.1)、クリス・ジョンソン (156.2)

 

① 「カープのエース」と呼ばれる投手たちの条件

 

1990年以降のカープ歴代投手の規定投球回数到達回数をグラフ化しました。
やはりかつて「エース」と呼ばれた投手たちが上位に位置しています。

 

その中で、黒田博樹投手が断トツのトップで安定した成績を残したことがわかります。
また、今回は日本のみの記録なので、MLBでの記録を含めるとさらに回数は増えます。

黒田博樹投手、佐々岡真司投手、前田健太投手、大竹寛投手。
「カープのエース」と呼ばれる条件は長く安定して成績を残せる投手と言えるでしょう。

そうなると、近年の先発投手は物足りなさを感じます。
大瀬良大地投手や野村祐輔投手は離脱も多く、これまでのエース像とは異なります

 

② 規定投球回数到達者の最多・最少年度

 

1990年以降で過去最多人数は4人で以下の通りです。

  • 1992年 リーグ4位
  • 1994年 リーグ3位
  • 1997年 リーグ2位
  • 2002年 リーグ3位
  • 2012年 リーグ4位
  • 2013年 リーグ3位

 

1990年以降で過去最少人数は1人で以下の通りです。

  • 1999年 リーグ5位
  • 2007年 リーグ5位
  • 2010年 リーグ5位

 

2020年に森下暢仁投手がギリギリ到達したとしても最少人数の1人となります。
過去の例でいくとリーグ5位ですが、2020年現在もリーグ5位に位置しています。

ただ、過去をみると多いからと言ってチーム成績が良いという訳でもありません
2016~2018年の3連覇の年をみても、2~3人と決して多い訳でもありません。

少ないことと悪い成績は関係しそうですが、多いことと良い成績とは関係なさそうです。
特に近年優勝するチームでは分業制が徹底され、到達人数は増えにくい可能性もあります。

 

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新たな指標の提案

 

よく言われることですが、「試合数×1.0」自体を変えるべきとの声があがります。
現在の野球では分業制が進んでおり、先発が長い回を投げることも少なくってきました。

そうした変化の中、数十年前に決められた基準を採用し続けることが難しくなっています。
近年、規定投球回数到達者が顕著に減少していることからも間違いない事実でしょう。

そのため、近年ではいくつかの新基準が提案されています。
[ 提案されている新基準 ]

  • 試合数×0.8
  • PR (Piching Runs) = (リーグ平均防御率-防御率)×回数÷9

 

① 「試合数×0.8」

 

いたってシンプルな案で、単純に『1.0➡0.8』に基準を下げるというもの。
現行の基準から少しだけ下げることで、今までの価値を大きく変えずに済みます

例えば、2020年を0.8の基準に変更した場合は以下のようになります。

変更した場合 120試合×0.8 = 96回

 

この基準の場合、現在の基準から約3倍ほど到達者が増加します。
最終的にはもう少し減ってくると思いますが、新基準として適当かも知れません。

ただ、そもそも基準を下げることが良いのかどうかも考えないといけません。
下げた数値に合わせ始めると、投手レベルの低下する可能性も考えられます。

 

② 「PR (Piching Runs) 」

 

これはアメリカで用いられる投手を評価する指標のようです。
プラスになるほど平均よりも優秀と評価され、マイナスになるほど平均より劣ると評価されます。

PR (Piching Runs) = (リーグ平均防御率-防御率)×回数÷9

 

元々はRSAAと呼ばれるものをベースに、失点率を防御率に置き換えて計算されています。

RSAA(Runs Saved Above Average)=(リーグ平均失点率-失点率)×回÷9

 

ただ、検索してみましたがあまり評価として使用されることも少ないように感じます。
同時に防御率が評価として疑問視されている今、防御率を含めた評価は良いのかという疑問もあります。

ライターの広尾晃氏は執筆された記事の中でPiching Runsを推奨されています。

PRの良いところは、規定投球回数にとらわれず同一リーグのすべての投手を比較できることだ。両リーグともに先発投手に交じって、救援投手の名前も上位に来る。トータルでの投手の貢献度を見ることができるのだ。 

~ 広尾晃氏 規定投球回数はもう時代遅れ?12球団で到達者はたったの17人。/ Number Web

 

 

今回のまとめ

 

今回はカープ歴代の規定投球回数到達者の話を中心に進めてきました。
かつてのカープのエースたちは規定投球回数を多く記録しています。

2020年は森下暢仁投手がギリギリ達成できるかどうかが現状。
もし達成できない場合はカープ史上初の到達者0人となります。

大瀬良大地投手とクリス・ジョンソン投手のWエースの離脱。
野村祐輔投手も例年と同じくシーズンを通した活躍はできていません。

そうした中、新人の森下暢仁投手の活躍は次世代エースを期待させます。
安定した投球内容はチームNo.1と言っても良いでしょう。

規定投球回数到達数の多さは長く安定して活躍した証拠。
森下暢仁投手がそんな投手に成長するよう今後の活躍に期待しています。

 

 

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この記事を書いた人

ジェイ

ジェイ

医療系の国家資格を取得。病院とクリニック勤務を経験し、主に野球のトレーナーやセミナー講師として活動 ▶ 得意な分野は野球や肩関節 ▶2014年からカープ戦全試合観戦を継続中! ▶ 2013年に表紙モデルを経験 ▶ 現在は「法律」を専攻

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