【 プロ野球引退後の進路希望 】近年増えつつある”会社員”と”社会人野球”という選択肢

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16年目になる医療系国家資格取得のトレーナーです
現在は「医学」に加えて「法律」も勉強しています。
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プロ野球選手は早かれ遅かれいずれは引退する時がきます。
今回は引退後にどのような転職を考えているかをアンケート結果から解説していきます。
※ グラフはNPB「セカンドキャリアに関するアンケート」から集計

 

プロ野球引退後の進路希望

 

2011年以降のプロ野球引退後の進路希望についてのデータです。
分類が多いのでわかりにくいですが、伸びてる進路と落ちてる進路が存在します。

 

 

伸びている進路希望は”会社経営者と会社員”

 

少しカテゴリーを分解して、伸びている進路希望をピックアップします。
野球関係以外で伸びてきているのは「会社経営者」「一般企業の会社員」です。

特に2019年に関しては「起業・開業」が一気に伸びてきています。
また、「一般企業の会社員」はじわじわと伸びてきて2018年から顕著になりました。

近年では引退後に会社を起業する選手も実際に増えてきています
以前のような飲食店というものではなく、いわゆる「会社」とイメージするもの。

また、野球とは離れて、一般企業で経験を積みたい選手も増えています
特別な世界しか知らないままより、世間を知りたいとのことみたいですね。
2019年は公務員希望も増え、合計すると会社経営者と同じくらいになります。

 

 

[ 2018-2019年に退団して一般企業に転職した選手 ]

選手名 所属球団 企業
2018年オフ 藤原良平 西武 ゼット株式会社
豊田拓矢 西武 就職活動中 (退団時)
戸田亮 オリックス 会社員予定 (退団時)
坂本一将 オリックス 株式会社セガトイズ営業部 ()
吉田雄人 オリックス 会社員予定 (退団時)
安江嘉純 (育成) ロッテ スポーツ総合学園SEED硬式野球部監督 ()
大島匠 日本ハム 群馬県高崎市 臨時職員 (2019) ()
群馬県高崎市 正規職員 (2000) ()
佐藤祥万 カープ 木材加工・販売業 ()
青木陸 カープ 一般企業就職予定 (退団時)
鵜久森淳志 ヤクルト ソニー生命営業部 ()
久古健太郎 ヤクルト デトロイトトーマツコンサルティング ()
松沢裕介 (育成) 巨人 仮設足場工事会社タニモト ()
西濵幹紘 (育成) 中日 教員(本人Twitterには星城大学コーチと記載)
山本翔也 阪神 保険代理店コア・ライフプランニング株式会社 ()
2019年オフ 島袋洋奨 ソフトバンク 株式会社アスリートビジョン ()
中村晨 ソフトバンク 会社員 (本人Twitterには営業と記載)
斉藤彰吾 西武 リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ(株) ()
宮崎祐樹 オリックス アクサ生命 保険営業部 ()
塚原頌平 (育成) オリックス 株式会社オノデラ不動産()
島井寛仁 楽天 株式会社鮮ど市場プラス ()
大木貴将 ロッテ 一般企業就職希望 (退団時)
木村聡司 カープ 静岡ガス軟式野球部 ()
西森将司 DeNA 不動産会社エンゼルホーム ()

 

もうひとつの企業就職としての「社会人野球」

 

プロ野球退団後も現役選手として続けたい選手もいます。
その中で特に伸びてきているのは「社会人野球・クラブチーム」での現役です。

近年では都市対抗野球などで元プロ野球選手の活躍も目立ちます。
2019年も優勝チームには元プロ野球選手が2名在籍していました(1人は補強選手)。

こうした流れもさきほどの会社員希望が増えていることにも繋がります
社会人野球の現役選手といえども、半分は会社員として生活しています。

半分は一般企業での経験を積みながら、選手生活も送ることができます。
また、引退後はそのまま会社に残って一般会社員として働くことも多いです。

いきなり一般企業でフルで働くよりもステップを踏むことができます。
また、「引退後の保険」があることで安心できるというメリットもあります。

 

 

[ 2018-2019年に退団して社会人野球に所属した選手 ]

選手名 所属球団 企業
2018年オフ 福倉健太郎 西武 ビッグモーター ()
玉村祐典 西武 オールフロンティア ()
高良一輝 日本ハム エナジック (2019)
オセアン滋賀プラックス (2000)
佐藤世那 オリックス 横浜球友クラブ ()
園部聡 オリックス JX-ENEOS ()
仲尾次オスカル カープ 新日鉄住金かずさマジック ()
比屋根渉 ヤクルト 大和高田クラブ (2019) ()
琉球ブルーオーシャンズ (2020) 
青山誠 巨人 JX-ENEOS ()
須田幸太 DeNA JFE東日本 (復帰) ()
網谷圭将 DeNA ヤマハ ()
野川拓斗 DeNA SUNホールディングス
亀井塔生 DeNA JPアセット証券 ()
吉田嵩 中日 JPアセット証券 ()
2019年オフ 立田将太 日本ハム JR北海道クラブ ()
南川忠亮 西武 JR四国 (復帰) ()
船越涼太 カープ 王子 (復帰) ()

 

[ 第90回都市対抗野球に出場した元プロ野球選手 ]

選手名 プロ野球所属球団
日本製鉄室蘭シャークス 瀬川隼郎 日本ハム
佐藤峻一 オリックス
鈴木駿也 ソフトバンク
日本製鉄鹿島 玉置隆 阪神
伊藤拓郎 DeNA
日立製作所 岩嵜恭平 中日・オリックス
JFE東日本 須田幸太 DeNA
松本啓二郎 (補強選手)
(日本製鉄かずさマジック)
DeNA
NTT東日本 田中太一 (補強選手)
(セガサミー)
巨人
JR東海 中田亮二 中日
三菱日立パワーシステムズ 加治前竜一 巨人
ヤマハ 網谷圭将 DeNA
トヨタ自動車 細山田武史 DeNA
JFE西日本 小林寛 DeNA
シティライト岡山 児山祐斗 ヤクルト

 

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進路希望とプロ野球引退後の現実

 

アンケート調査と引退後の進路を比較してみます。
進路希望では会社経営が多いですが、実際に起業する選手は少ないです。
会社員に関しては2018年くらいから徐々に希望と進路が近づいています。

ただし、当然ながらアンケートの選手と引退した選手が異なります。
同時に一旦は会社員などで働いて、将来的に自ら起業をする選手もいます。

とはいえ、実際に引退すると簡単に起業という訳にはいかないようです。
理想と現実のギャップは実際にその立場になってわかることかも知れません。

 

 

[ 引退直後に起業した選手 ]

選手名 起業社名 事情内容
2017年オフ 江草仁貴 株式会社キアン (現役中に設立) デイサービス事業
小杉陽太 株式会社l’unique 広告業・動画事業
2019年オフ 西田直斗 Settedieci オーダースーツ事業
2019年オフ 水野滉也 株式会社BOUKEN クラウドファンディング事業 ()
友永翔太 株式会社RESKA アパレル事業・野球教室事業

入野貴大 (楽天・育成)
出口匠 (楽天・育成)
菊沢竜佑 (ヤクルト)
河野元基 (巨人)

堀内汰門 (ソフトバンク)
美間優規 (ソフトバンク)
井出亮太郎 (楽天)
山田大樹 (楽天)
野元浩輝 (楽天)
青山大紀 (オリックス)
青柳昴樹 (DeNA)
綾部翔 (DeNA)
山下亜文 (巨人・育成)
田島洸成 (巨人・育成)

 

引退後の進路を考えている選手は「45%」

 

2019年に行われたアンケートの中で以下のようなデータがあります。
引退後について「考えている」と「なんとなく考えている」を合計すると45%程度

アンケート年齢が平均23.1歳と若い選手が対象ということもあります。
「自分はまだまだ解雇されない」と考えている選手が多いのも事実かも知れません。

引退後の進路について

  • 考えている       10.7% (23名)
  • なんとなく考えている  34.0% (73名)
  • 考えていない      38.1% (82名)
  • 回答無し         17.2% (37名)

 

一方、引退後の生活に不安があるのかという質問に対して48.4%が「不安」と答えています。
半数近くの選手が「不安」と答える中、引退後のことを「考えている」は10.7%に過ぎません。

現実的な問題として将来の不安を感じてはいるものの現実的に考えるのは難しいようです。
こうした問題に対して、選手会などでがさらにアプローチしていく必要があるかも知れません。

引退後の生活に不安があるか

  • 不安がある      48.4% (104名)
  • 不安はない      20.0% (43名)
  • どちらとも言えない  37.7% (66名)
  • 回答無し         0.9% (2名)

 

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最近は高卒3年目で自由契約になる選手も増えた

 

近年は高卒3年目までに自由契約になる選手もみられるようになりました
もちろんケガをした影響があったり、自由契約後に育成契約になった選手もいます。

ただ、以前のような「高卒は5年間契約」という球界のセオリーは消えつつあります。
自由契約制度ができた影響もありますが、以前よりシビアな契約状況になってきています。

特にラフト上位指名で入団した選手も区別なく契約を解除されています。
以前のように「入団の条件として最低〇年間は契約」といった話も聞かなくなりました。

若い選手には「自由契約はまだ先」と考えがちかも知れませんが実際はそうでもありません。
「プロは結果がすべて」なので年齢や年数だけで保証される甘い世界ではないです。

 

[ 高卒3年目以内に自由契約になった選手 ]

選手名 所属球団 ドラフト年度 在籍年数 進路
2018年オフ 小澤怜史 ソフトバンク 2015年ドラフト2位 3年 引退
黒瀬健太 ソフトバンク 2015年ドラフト5位 3年 育成契約
茶谷健太 ソフトバンク 2015年ドラフト4位 3年 ロッテ育成契約
佐藤世那 オリックス 2015年ドラフト6位 3年 アマチュア
本田仁海 オリックス 2017年ドラフト4位 1年 育成契約
野元浩輝 楽天 2016年ドラフト7位 2年 育成契約
青木陸  カープ 2015年ドラフト7位 3年 引退
與那原大剛 巨人 2015年ドラフト3位 3年 育成契約
2019年オフ 松尾大河 DeNA 2016年ドラフト3位 3年 独立リーグ
西巻賢二 楽天 2017年ドラフト6位 2年 ロッテ移籍
島孝明  ロッテ 2016年ドラフト3位 3年 引退
高山優希 日本ハム 2016年ドラフト5位 3年 育成契約
山崎颯一郎 オリックス 2016年ドラフト6位 3年 育成契約
岡崎大輔 オリックス 2016年ドラフト3位 3年 育成契約
長井良太 カープ 2016年ドラフト6位 3年 引退

 

引退後の意識の高い選手も増えてきた

 

2019年のアンケートで50%が「引退後のことは考えていない」という事実がありました。
反面、近年では現役中から引退後に対して意識の高い選手が増えてきているのも事実です。

たとえば、DeNAベイスターズの選手たちにその傾向が見られます。
毎年春のキャンプ前日に球団経営者からマーケティング戦略のレクチャーが行われています。

球団の方向性や集客方法、グッズ販売のシステムなど具体的な内容が多いそうです。
実際に元DeNAの選手たちはその取り組みが役に立ったとメディアでよく口にしています。

現役中から積極的にビジネス系の本を読んだり、情報を仕入れたりと。
選手同士で本の紹介をしたりと少しずつ引退後に向けて取り組む選手が増えています。

実際に水野滉也投手や小杉陽太投手などは引退後すぐに起業しています。
球団自体にそういったビジネスマインドを持った選手が多いのかも知れませんね。

札幌日大高校 – 東海大学北海道 – DeNAベイスターズ
大学4年時には日米大学野球選手権で侍ジャパンのメンバーに選出 ()。
2016年ドラフト2位指名で入団するも、肩・ヒジの故障もあり
2019年で引退。
引退後は株式会社BOUKENを起業し、経営者として活躍している。

[ 通算成績 ] 1試合 0勝1敗 防御率5.79

二松學舍大学附属高校 – 亜細亜大学 (中退) – JR東日本 -DeNAベイスターズ
2008年ドラフト5位指名で入団し、先発・中継ぎで活躍して
2017年で引退。
引退後は株式会社l’uniqueを起業し、経営者として活躍している。

[ 通算成績 ] 86試合 6勝9敗2H 防御率5.04

書籍 : 僕たちのLIFEシフト「戦力外通告」をプラスに変えた転職の思考 / 小杉陽太

 

 

「プロ野球選手引退後の進路希望」のまとめ

 

今回はセカンドキャリアのアンケート結果から傾向について話を進めてきました。
近年は安定思考やビジネス思考の傾向のためか会社員を希望する選手が増えています

また、いつかは起業したいと考えている選手も増えてきました。
以前は引退後には飲食店経営などのイメージでしたが時代とともに変化しています。

また、引退後の選手を取り巻く環境の変化やOBの実績が増えたのも事実です。
そうしたこともあり、引退後についての考え方も変わってきたのかも知れません。

プロ野球は多くの選手が30歳までには引退となる厳しい世界。
いずれ訪れる引退に向けて、現役中から少しずつ準備しておくことも必要ですね。

 

 

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