かーぷらぼ

広島で生まれ育った野球を担当するトレーナーのカープ研究(ラボ)ブログ

バティスタ選手のドーピング問題、疑問の残る「期間」の処分

この記事をシェアする

バティスタ選手のドーピング違反の処分が本日発表されました。
6ヵ月という処分が下されましたが、その問題と今後について検討したいと思います。

f:id:carp-toyo:20191018171735j:plain

 

 

▼前回の投稿はこちら

www.carp-damashii.work

 

ドーピング違反の処分発表

 

 本日9月3日にバティスタ選手のドーピング違反に対する処分が発表された。
NPBアンチ・ドーピング調査裁定委員会の判断により6ヵ月の出場停止。
処分通りに順当にいけば2020年の3月頭には試合復帰が可能となる。
検出されたのは「クロミフェン」と代謝物の「ヒドロキシクロミフェン」。
ホルモン調整剤でステロイドを使用した際にホルモンバランスを正常化させる。
NPBで「クロミフェン」が検出されたのは今回が初めてとなる。

www.nikkansports.com

 

出場停止「6ヵ月」という処分は正しいのか

 

ここで改めて、処分について考えてみたい。
今回、物議を醸しそうな点としては「6ヵ月」という所である。
つまり、「試合数」ではなく「期間」という点に問題があるように思う。
今から6ヵ月というと完全にオフの期間までそこに含まれることになる。
年間通じて活動するような競技であればそれでも問題は無いだろう。
しかし、日本シリーズが終わり、1月末までは球団からは離れる形になる。
そうなるとその約2ヵ月間を含めると、処分の約1/3がオフで消化する。
処分にオフも含まれるのであれば、少し問題があるのではないだろうか。

本来であれば処分は「期間」ではなく「試合数」にするべきである。
それならばシーズンを跨いだとしても、時期が変わっても平等な処分とされる。
しかし、期間にしてしまうとシーズン当初と終盤では意味合いが変わってくる。

 

MLBでは「期間」なのか「試合」なのか

 

そこで今回気になってMLBの処分方法を調べてみた。
3月にアストロズのフランシス・マルテス投手が同様の検出物で処分されている。
その内容を見ると、やはり「試合数」での処分で、80試合出場停止となっている。
MLBでは期間を採用せず、試合数で処分する適切な対応が取られているようだ。
本来、これが妥当なのだが、NPBではそこまで的確な判断が下されていない。

www.nikkansports.com

少しさかのぼって過去のドーピング違反選手たちも見ていきたい。

  • 2015年2月  ウィルソン・ベテミット内野手(レイズ傘下) 50試合
  • 2015年3月  デビット・ロリンズ投手(マリナーズ) 80試合
  • 2015年4月  マービン・サンタナ投手(ツインズ) 80試合
  • 2015年4月  ヘンリー・メヒア投手(メッツ) 80試合
  • 2016年4月  ディー・ゴードン内野手(マリナーズ) 80試合
  • 2016年7月  デービット・ポーリーノ投手(アストロズ) 80試合
  • 2018年5月  ロビンソン・カノ内野手(マリナーズ) 80試合
  • 2018年12月 エリベルト・ソーサ投手(パドレス傘下) 72試合
  • 2018年12月 オスカー・トーバー投手(アスレチックス傘下) 50試合

当然ながら、50~80試合と同じように「試合数」での処分となっている。

 

韓国プロ野球も「試合数」での処分

 

韓国プロ野球でも同様なのかを調べてみた。
2015年に違反したのがハンファのチェ・ジンヘン(崔鎮涬)選手。
処分内容は30試合の出場停止と、やはり「試合数」での処分であった。
ちなみに当時は30試合という処分の軽さも問題となったようだ。
現在は日本のロッテでも活躍した金泰均選手と一緒にプレーしている。

news.yahoo.co.jp

 

他競技の選手たちのクロミフェン使用の処分内容

 

今回、バティスタ選手から検出されたのが「クロミフェン」。
同様の検出物を使用した他の競技選手の処分内容を見ていく。

陸上競技で処分された選手は2年間の資格停止処分となっている。
本人は海外サプリメントが原因で意図的な摂取は否定しているようだ。

www.sanspo.com

自転車競技でも同様の検出物で4年間の資格停止となっている。
同様に本人は「意図的な摂取はない」と否定しているようだ。

www.nikkansports.com

また、海外ではショートトラックの選手からも検出されている。
自転車競技の選手と同様の処分となる4年間の出場停止となった。

www.afpbb.com

こうしてみると、他競技の処分はNPBに比べて相当重い。
2年間、4年間停止という期間はスポーツ選手にとって致命的である。
特にオリンピック競技ではドーピング根絶のため厳格な処分が行われている。
ただし、これが通常であり、NPBのドーピング根絶に緩さがあるのだろう。

 

改めてNPBの規約を見ると基準は「試合」

 

改めてNPBの規約を見てみると、処分は「試合」「公式戦」となっている。

  • 譴責(けんせき) 始末書をとり、将来の戒め(いましめ)とする
  • 一定期間の出場資格停止 (1試合以上10試合以下の出場停止)
  • 一定期間の出場資格停止 (1年以下の公式戦出場停止)
  • 無期限の出場資格停止

となると、今回の「期間」での処分はルールとは異なるのではないのだろうか。
この文言通りでいけば、〇〇試合、公式戦出場停止ならオフは加算されないはず。
今回の発表に疑問が残るのはこの「ルールとは違った形」になっている点にある。
その点についてNPB側がどのように考えているのか見解を聞いてみたい。

npb.jp

 

経緯の判明が必要だが...

 

検出された以上、どう否定しようと処分は仕方ない。
仮に意図的ではないにしても、何かしらの不注意から起きている。
誰かに飲食物に混入された場合は別だが、その可能性は少ないだろう。
そうなると、どこでどうやって摂取したのかになるが、それは不明である。
本人は否定している以上、意図的であったとしても最後まで判明することはない。
海外製のプロテインの可能性もあるようだが、2種のうち1種はすでに無いようだ。
そうなると、何が原因でこうなってしまったのかを判明するのは相当難しい。

 

今後のバティスタ選手の動向 

 

処分は下されたので、あとは17日までに異議申し立てが認められている。
ただ、これ以上否定をしても「シロ」を証明する証拠がある訳でもない。
異議申し立てをしたところで、これまで通り、処分は変わらないだろう。

この6ヵ月の間、球団施設は使用できず、練習試合にも参加出来ない。
カープが契約を継続したとして、その間、どう過ごすのかという問題がある。
球団施設が使えないとなると、ドミニカのアカデミーも使えないことになる。
つまり、広島でもドミニカでも思ったような練習が出来ないことになる。
当然ながら、球団が動いて何か施設を用意することも禁止なのだろう。
そうなると、あとはウインターリーグなどに出て自分で調整するしかない。
または球団とは全く関係のない人物に協力を得ながら練習するしかない。
そう考えると、かなり厳しい状況に置かれることも予想される。
まずはカープが契約するかどうかだが、契約後にも多くの問題を抱えている。

 

マシソン投手も処分に言及

 

今回の処分を聞いたマシソン投手もそれに言及していたようだ。
アカデミー出身で球団内ではほぼ日本人扱いのアカデミー出身の選手たち。
外国人枠ではあれど、他の若手選手と変わりなく育成してきた。
その点で「生え抜き」として何かしら優遇されるのは間違いない。
通常の外国人選手として入団した選手であれば一発解雇だっただろう。
マシソン投手のように1年1年が勝負の選手たちから見ると正直甘い。
そう感じるのもおかしくないし、オフ期間が含まれること自体に不満だろう。
改めて、なぜ試合数ではなく、期間になったのかについて疑問が残る。

www.zakzak.co.jp

 

ウインターリーグに参加が決まる

 

予想していた通り、ウインターリーグに参加することになったようだ。
発表があった所属先はレオネス・デル・エスコヒードというチーム。
エスコヒードには2015年オフに筒香嘉智選手が参加し飛躍に繋げている。

sportiva.shueisha.co.jp最終的にはこうするしかなかったが、あとはカープとの契約問題となる。
方針が「解雇」ならすでに行っていてもおかしくないが未だ発表は無い。
すでに聞き取り調査も済み、結論は出ており「シロ」に変わることはない。
その段階でも結論を出さないのは、今後補強する外国人次第なのか?
または、即発表では世論の反発を買うため、時間を置き公開するのか?
個人的にはおそらく育成契約で再契約の形をとるのでないかと思う。
いずれにせよカープの判断が待たれるが、早めの決断が待たれる。

www.daily.co.jp

 

ウインターリーグに代打で出場が決まる

 

12日にドミニカのウインターリーグに代打で出場した。
バティスタ選手以外にも元NPBの選手たちも多数出場している。
バティスタ選手の成績は以下の通り。

  • 1打数0安打1三振1四球

www.baseballchannel.jp


ここまでわかったこと

 

ここまでわかったことをまとめてみよう。

  • 検出物質はクロミフェンとヒドロキシクロミフェン
  • 出場停止の期間は6ヵ月
  • 処分は「期間」ではなく「試合」が望ましい
  • MLBと韓国プロ野球は「試合」
  • 他の競技では2~4年の資格停止と厳しい処分
  • NPBの規約では「試合」となっている
  • 経緯を判明するのは非常に厳しい
  • 6ヵ月間は厳しい現実・環境が待っている

 

今回のまとめ

 

今回はバティスタ選手のドーピング違反の処分について話を進めた。
6ヵ月という期間での発表により少し混乱が起きそうである。

処分の発表として「試合」に統一するのが適切だろう。
NPBの規約にも試合での記載があり、それに沿った発表が必要である。
それについては今後のNPBの見解にも注目したいところである。

ひとまず処分は下されたので、今後どうなるかである。
カープは契約を継続するか、バティスタ選手はどうその期間を過ごすのか。
様々な問題が山積しており、まず契約の問題がクリアされるかどうか。
まとまずカープの対応を待ちながら、その後の動向に注目したい。

また、経緯については前述のとおり、判明するのは難しいだろう。
仮に本人がわかっていたとしても、それを口にすることはないだろう。
経緯はわからないまま終わるだろうが、どうあれ違反に変わりはない。

これから厳しい状況が待っているバティスタ選手。
カープに残留することを願いながら今後の動向に注目した。

 

 


最後までお読み頂きありがとうございました。

記事:バティスタ選手のドーピング、疑問の残る「期間」の処分 

||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||

※ 当ブログの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
※ 盗用を発見した場合、サーバー会社・ドメイン会社・google等に連絡し法的に対応致します。
※ 当ブログの写真は広島東洋カープに電話で直接問い合わせ、許可の範囲で掲載しています。

Copyright© かーぷらぼ 2019 All Rights Reserved.