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「天才」と呼ばれる打撃がゆえの課題が見えた、西川龍馬選手の起用法が難しい理由

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2019年はクリーンナップも任されている西川龍馬選手。
天才とも称される打撃技術からくる課題について検討します。

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規定打席到達者の四球率と三振率

 

ここまでの規定打席到達者の四球率と三振率を見ていく。
やはり鈴木誠也選手の四球率が群を抜いて高い。
逆に西川龍馬選手の四球率が最も低い値となっている。

田中広輔選手は四球率は2位だが、三振数がバティスタ選手よりも多い。
三振率で見ると、四球率と同様に三振率も低い値となっている。

 

図1 2019年の四球率と三振率

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※ 7月14日試合終了時点

 

なぜこのようなことが起こるのか?

 

つまり、西川選手は『四球が少なく、三振も少ない』ことになる。
これは西川選手のバットコントロールの良さに影響するものだろう。
「天才」と称されることも多い特徴が、この結果を引き出している。
なんでもバットに当ててしまうために、四球も三振も少なくなる。

もちろん三振が少ないことは良いことではある。
しかし、普通は打てないボール球に手を出して、当ててしまうことも多い。
事実、他の選手と比較しても、突出してボール球によく手を出している。
さらにボール球に手を出した上で、さらにボールにバットを当てている。

 

 図2 2019年のボール球に対するスイング率

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図3 2019年のボール球に対するコンタクト率

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毎年のように四球率と三振率は低いのか?

 

疑問として、この傾向は毎年のことなのだろうか。
比較してみると、やはり2019年は四球率と三振率が低い。

2017年も四球率が低いが、三振率は高い。
2019年よりも空振りすることが多かったことがうかがえる。

やはり2019年はよりボールにバットが当たっている。
ボール球を見送ることが出来ず、かつバットに当てている。

 

図4 2016年以降の四球率と三振率

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出塁率の低下

 

上記のように四球率が低と当然ながら出塁率も低下している。
田中選手よりも安打数が多いので、かろうじて出塁率は上回っている。
ただ、最近は3番を打つことが多いが、打順を考えると正直低い値。

 

図5 2019年の出塁率

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2016年以降を見ても、やはり出塁率が低い。
2018年が.360を超えていたため、大幅にその数値を下げている。

ついでに2017年も見るやはり四球率の少ない年は出塁率も低い。
出塁率を上げるためには、ある程度四球率を上げなければならない。

 

図6 2016年以降の出塁率

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当ててしまうが故に

 

下手にバットに当ててしまうがために長打率が低い。
もちろんしっかり振った場合は長打になる可能性が高い。
しかし、バットを合わせたようなヒットでは長打になりにくい。

2018年は出塁率と同様に長打率も高い。
2018年は多く出塁し、かつ長打も打てていたことになる。
このくらいの数字まで戻せて来ると、西川選手本来の打撃に近づく。

 

図7 2016年以降の長打率

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イチロー選手もかつて苦労した「空振り」

 

イチロー選手が以前、よくこうコメントしていた。
『空振りが出来ない。当ててしまうのでチャンスが減る。』

本来は空振りが出来れば、追い込まれていなければ打ち直しが出来る。
しかし、バットに当たってしまうと凡打になる可能性が生じる。
そのため、空振りが出来れば、凡打の可能性が減るのではないか。
そういった思考から発したイチロー選手の発言だったと思う。

通常であれば当たらないことに苦労する選手が大半だ。
それを逆に「当てたくないから空振りしたい」と。
いかにバットコントロールが高いかを示した発言だった。

西川選手も当てても凡打になってしまうボール球を空振り出来る。
そういった技術が身につくと首位打者争いが出来るような選手になれる。

number.bunshun.jp

 

何番が適正なのか起用が難しい

 

以上のように、出塁率と長打率が低いという特徴がある。
そうなると、チャンスメーカーやポイントゲッターとしては難しい。
特に3番となると両方の役割を求められる。

本来であれば6~7番などの下位打線が適任かと思われる。
ただ、2019年のチーム状況では3番や5番を打つ打者が見当たらない。
該当者がいないため、ずれ込む形でクリーンナップに入っている。
西川選手が下位打線に入るような打線を組めてこそ強いチームと言える。

 

 

ここまでわかったこと

 

  • 鈴木選手の四球率が高く、田中選手は三振率が高い
  • 西川選手は四球率が低く、三振率も低い
  • ボール球をよく振り、バットに当てている
  • 四球率の低下に伴い出塁率が低い
  • 当ててしまうため長打率が低下
  • 2018年の四球率と長打率まで戻したい

 

今回のまとめ

 

今回は西川選手の四球について述べてきた。
バットコントロールの良さは西川選手の持ち味。
そこは無くして欲しくないが、もう少しボール球の選別も必要だ。

天才と称されるその技術も「もろ刃の剣」となってしまう。
2018年くらいの打撃スタイルに戻せると状態も良くなるだろう。

クリーンナップを打つことも多く、慣れない面もあるだろう。
5月のように類まれな技術で活躍する西川選手の姿に期待したい。

 

 

 
最後までお読み頂きありがとうございました。 

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