現役トレーナーのカープぶろぐ!

広島で生まれ育った生粋のカープファン&野球を専門に携わるトレーナーがカープを中心に気ままに投稿します。また、阪神タイガースの尾仲祐哉投手の投稿も時々。更新は不定期デス。

勤続疲労と登板多の中﨑翔太投手、ついに戦線離脱

開幕から不調が続き、先日2軍落ちが決まった中﨑翔太投手。
今回は過去の登板も振り返り、中崎投手に起きていることを検討していきます。

f:id:carp-toyo:20190219184652j:plain

www.daily.co.jp

 

 

球種全体の質の低下

 

まずは、主な球種の平均球速と得点への関与を見ていく。
ストレートの平均球速は過去3年に比較して低下したのがわかる。
また、得点への関与は全ての球種において、マイナスに転じている。
主に投じている3つの球種が全て通用していないという厳しい状況である。

 

図1 主な球種の平均球速

f:id:carp-toyo:20190624112728p:plain


図2 主な球種の得点への関与

f:id:carp-toyo:20190624113016p:plain


投球内容にも大きな変化

 

次に奪三振、四球、被本塁打、被安打を見ていこう。
三振率は年々減少傾向にあり、四球率は年々増加傾向にある。
また、被本塁打率と被安打率はすでに2018年から急増しているのがよくわかる。
奪三振、四球、被本塁打、被安打、ここで挙げた全ての項目で悪化傾向にある。

 

図3 奪三振率と四球率の変化

f:id:carp-toyo:20190624113843p:plain

 

図4 被本塁打率の変化

f:id:carp-toyo:20190624113649p:plain

 

図5 被安打率の変化

f:id:carp-toyo:20190624124318p:plain

 

 

増えるフライとライナーの打球

 

次に打球の種類を見ていこう。
3連覇中の割合にはほとんど差がないと言って良いだろう。
2019年はゴロの打球は減少し、フライとライナーを合わせた打球は増加している。
前出の被本塁打率の増加も含め、長打になりやすい打球を打たれているのがわかる。

 

図6 打球の種類

f:id:carp-toyo:20190624114228p:plain

フル回転だった過去4年間

 

次に抑えになった2015年以降の登板数を見ていこう。
抑えになって以降の4年間の登板数は、最多が69試合で、平均で64.25試合。
チームの3連覇もあり、まさに「フル回転」と言える登板数となっている。

 

図7 抑えになった2015年以降の登板数

f:id:carp-toyo:20190624122926p:plain


ここでは過去4年間通じてリリーフを担った3投手に絞った。
一岡は2017-2018年がフル回転、今村は2016-2017年がフル回転。
中﨑投手は4年間フル回転で、いかに負担がかかっていたかがわかる。

 

図8 主なリリーフ投手の登板数の比較

f:id:carp-toyo:20190624142524p:plain

 

 

連覇が招いた“勤続疲労”、”登板過多”

 

実際に登板過多や勤続疲労を決定的に判断するのは難しい。
登板試合数、投球回、投球間隔、球数、ポジション、ランナーの有無、優勝争いetc。
様々な要素が絡んだ結果、最終的に判断しないといけないだろう。
また、故障歴、コンディショニングなど個人の要素も含めるとさらに複雑になる。

とはいえ、チーム内で見た場合、明らかな負担がかかっていたのは間違いないだろう。
リーグ3連覇という大きな負担がかかる中、毎年フル回転を果たしてきた。
下位チームの抑え投手とは精神的な負担も違うだろう。
また、同じ登板試合数や投球回数でも全く疲労も異なるだろう。
そして、プレーオフでの登板も加えると、明らかな負担は容易に判断できる。

 

悪化傾向は2018年から始まっていた

 

2019年の不調のようにみられているが、実際は2018年から始まっていた。
主な球種の得点への関与(図2)と被本塁打率と被安打の変化(図4・5)からもわかる。

ストレートとツーシームは悪化し、本塁打や安打をよく打たれ始めている。
グラフを見てわかる通り、その悪化の程度が顕著だったことがわかるだろう。

少し専門的になるが、奪三振、四球、被本塁打、被安打による2つの指標を見てみる。
実際に、2018年にはすでに2019年の数字に迫るところまで悪化してきている。
また、2016年と2017年を比較しても、2017年が悪化している。
投球内容が年々悪化しつつあったのが中﨑投手の現実だろう。

 

 図9 奪三振、四球、被本塁打、被安打による2つの指標

f:id:carp-toyo:20190624142052p:plain

 

 

チームとして対策できていたのか?

 

リリーフでは2018年でジャクソン投手が退団した。
代わりに、レグナルト投手が加わり、十分な働きを見せている。
また、福井投手を放出し、菊池保投手を獲得し補強を図った。

外国人枠の関係でヘルウェル投手は現実的に登録できない。
さらに、オフの時点でアドゥワ投手の先発転向も決まっていた。

菊池保選手を加えたとはいえ、リリーフ陣の弱化は明らかではあった。
その他、目立った補強は無く、2019年シーズンを迎えることとなった。

今村投手はキャンプから2軍調整、中田投手もほぼ2軍暮らし。
登板過多気味の一岡投手もここ数試合は打ち込まれている現状。
経験のない島内投手、遠藤投手が奮闘はしているが層の薄い状況にある。

ただ、良い意味の「計算外」として中村恭平投手が覚醒したのは幸いだった。
いずれにせよ、層の薄いリリーフ陣であることは否めない。

 

希望していた「先発転向」

 

以前から、本人は先発転向を希望していた。
リリーフ投手で長年活躍出来る投手が少ないことかららしい。
また、故障により消えていく投手も多く、「登板過多」を懸念していた。
地元番組のインタビューでその件について話していたこともある。

実際、2017年のオフにもその希望を公表している。
しかし、2019年キャンプは一岡投手と中﨑投手以外は先発調節の指令。
事実上、先発候補からは外されていて、本人の希望は通らなかった。

振り返ると、3年目の2013年は先発で11試合登板している。
入団してしばらくの間は先発候補としてチームに期待されていた。
2019年には実らなかったが、先発への思いはあっただろうと思う。

【参考記事】

www.sponichi.co.jp

 

ここまでわかったこと

 

ここまでわかったことをまとめてみよう。

  • ストレートの平均球速が低下
  • 主な3球種の全てが失点に繋がりやすくなった
  • 奪三振率、四球率、被本塁打率、被安打率が悪化
  • ゴロ打球が減少し、フライやライナーの打球が増加
  • 過去4年間ではチーム内で最もフル回転
  • 登板過多、勤続疲労を招いている可能性が高い

 

まとめ

今回は中﨑投手の投球内容を中心に述べてきた。
この数年、登板過多と言えるほどチームに貢献していた。

特に2018年から顕著に悪化傾向を示し、2019年は2軍落ちとなった。
チームも配慮しただろうが、明らかに投球の質は年々低下しつつある。

岩瀬投手のような長年、50試合以上登板を続けられる投手も稀にはいる。
しかし、過去でも多くの投手は登板過多から不調や故障につながっている。

幸い、肘の靭帯損傷など大きな故障によるものではない様子ではある。
2軍でしばらく調整し、焦らず万全な状態で復帰してもらうことを期待しよう。

 

 

 

以上、勤続疲労と登板多の中﨑翔太投手、ついに戦線離脱…でした。
どこかで誰かのお役に立ててれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。 

※ 写真の掲載は広島東洋カープ球団に電話にて問い合わせ、許可の範囲内で掲載しています。
※ 記事・画像の盗用を見つけた場合、サーバー会社・ドメイン会社・googleなどに連絡致します。

※ ひとりのカープファンの個人的な意見として楽しんで見て頂けると幸いです。

Copyright© 現役トレーナーのカープぶろぐ! 2019 All Rights Reserved.