かーぷらぼ

広島で生まれ育った野球を担当するトレーナーのカープ研究(ラボ)ブログ

カープ野手のドラフト&育成状況からみた期待と課題!

この記事をシェアする

さて今回はカープの野手の状況にスポットを当てたいと思います。
現在の状況、過去のドラフト、今後の課題など踏まえて話を進めます。

f:id:carp-toyo:20191018171735j:plain

 

 

 

期待若手のレギュラー候補たち

将来のレギュラー候補として期待されている選手は以下の通り。

  • 野間峻祥 (26)
  • 西川龍馬 (25)
  • 坂倉将吾 (21)
  • 小園海斗 (18) ※カッコ内は年齢

ポジションの関係もあるが、順当にいけばレギュラークラスの選手に。
もちろん、確定は出来ないが、それに準ずる立場までなるだろう。

 

 

2009年以降のドラフト指名野手を振り返る

2009年から年度順に振り返ってみよう。

 

2009 堂林翔太(D2)、庄司隼人(D4)
2010 磯村嘉孝(D5)
2011 菊池涼介(D2)、土生翔平(D4)
2012 高橋大樹(D1)、鈴木誠也(D2)、上本崇司(D3)、下水流昂(D4)、美間優槻(D5)
2013 田中広輔(D3)
2014 野間峻祥(D1)、桒原樹(D5)
2015 船越涼太(D4)、西川龍馬(D5)、青木陸(D7)
2016 坂倉将吾(D4)
2017 中村奨成(D1)、永井敦士(D4)
2018 小園海斗(D1)、林晃汰(D3)、中神拓都(D4)、正随優弥(D6)、羽月隆太郎(D7)

 

すでに引退した選手はグレー、移籍した選手はグリーンで表示した。
こうして見ると、投手に比べて野手では現役を引退した選手は少ない。

また、2012年と2018年に野手を補強する年にした様子が伺える。
2012年に至っては、全ての指名が野手のみとなった。

 

 

1軍戦力となった選手をピックアップ

1軍の戦力としてどの程度の選手が活躍しているだろうか。

 

2009 堂林翔太(D2)、庄司隼人(D4)
2010 磯村嘉孝(D5)
2011 菊池涼介(D2)、土生翔平(D4)
2012 高橋大樹(D1)、鈴木誠也(D2)、上本崇司(D3)、下水流昂(D4)、美間優槻(D5)
2013 田中広輔(D3)
2014 野間峻祥(D1)、桒原樹(D5)
2015 船越涼太(D4)、西川龍馬(D5)、青木陸(D7)
2016 坂倉将吾(D4)
2017 中村奨成(D1)、永井敦士(D4)
2018 小園海斗(D1)、林晃汰(D3)、中神拓都(D4)、正随優弥(D6)、羽月隆太郎(D7)

 

 

1軍戦力になっている選手はブラックの文字で表示した。
2017年、2018年はまだプロ年数が浅いため、ここでは考慮しないことにする。

2009~2014年に指名した多くの野手は1軍戦力として活躍している。
おおよそ入団から4年前後で戦力となるかどうかの時期に差し掛かるようだ。

 

ドラフト指名の順位別に並べると

年度を越えて、ドラフト指名の順位別に並べてみよう。

 

D1 高橋大樹、野間峻祥、中村奨成小園海斗
D2 堂林翔太、菊池涼介、鈴木誠也
D3 上本崇司、田中広輔、林晃汰
D4 庄司隼人、土生翔平、下水流昂、船越涼太坂倉将吾中神拓都
D5 磯村嘉孝、美間優槻桒原樹、西川龍馬
D6 正随優弥
D7 青木陸羽月隆太郎


2017~2018年組を除くと、当然ながらドラフト1~3位の活躍が目立つ。
7人中5人の選手が、過去に規定打席に到達した経験がある。

反面、下位では成功率が少ないが、異質なのが西川選手と言える。
別の言い方をすると、この順位まで何故か指名されずに残っていた。
カープもこの順位で指名出来る計算はなく、ラッキーだったと話していた。

 

レギュラー陣を外してみると

ここで、一旦入団した野手からレギュラー陣を外してみよう。
レギュラー陣はグレーの文字にて表示した。

 

2009 堂林翔太(D2)、庄司隼人(D4)
2010 磯村嘉孝(D5)
2011 菊池涼介(D2)
2012 高橋大樹(D1)、鈴木誠也(D2)、上本崇司(D3)、下水流昂(D4)
2013 田中広輔(D3)
2014 野間峻祥(D1)、桒原樹(D5)
2015 船越涼太(D4)、西川龍馬(D5)
2016 坂倉将吾(D4)
2017 中村奨成(D1)、永井敦士(D4)
2018 小園海斗(D1)、林晃汰(D3)、中神拓都(D4)、正随優弥(D6)、羽月隆太郎(D7)

 

これを左右打者別に分けてみよう。
2017~2018年組はグレーの文字にて表示した。

 

    右打者     左打者

  堂林翔太(D2)  庄司隼人(D4)
  磯村嘉孝(D5)  野間峻祥(D1)
  高橋大樹(D1)  桒原樹(D5)
  上本崇司(D3)  西川龍馬(D5)
  下水流昂(D4)  坂倉将吾(D4)
  船越涼太(D4)  小園海斗(D1)
  中村奨成(D1)  林晃汰(D3)
  永井敦士(D4)  羽月隆太郎(D7)
  中神拓都(D4)
  正随優弥(D6)

 
ここでは、2017~2018年はプロ経験が浅いため、評価から除外する。
こうしてみると、右打者の方が1軍の戦力としては活躍しているように見える。
ただ、その多くが控え選手としての活躍で、レギュラークラスとは言えない。

反面、左打者の2人は準レギュラークラスであった。
庄司、桒原選手は1軍の二遊間コンビの影響もあり、出場機会が限られている。

将来のレギュラー候補たち

ここで再び最初に挙げた将来のレギュラー候補に注目してみる。

 

    右打者     左打者

  堂林翔太(D2)  庄司隼人(D4)
  磯村嘉孝(D5)  野間峻祥(D1)
  高橋大樹(D1)  桒原樹(D5)
  上本崇司(D3)  西川龍馬(D5)
  下水流昂(D4)  坂倉将吾(D4)
  船越涼太(D4)  小園海斗(D1)
  中村奨成(D1)  林晃汰(D3)
  永井敦士(D4)  羽月隆太郎(D7)
  中神拓都(D4)
  正随優弥(D6)

 

見てお分かりの通り、該当する選手が全て左打者ということがわかる。
彼らが順当に育っていると言えるが、裏を返せば右打者が育っていない。

 

実は...今回お伝えしたかった1番のポイントがここである。

 

以前の投稿で、カープは左投手を育成するのが苦手だと記載した。
同様に、打者においては右打者を育成することを苦手としている。

2016年に鈴木誠也選手が出てきたものの、他は菊池選手くらい。
数年後のレギュラー候補に関しても、右打者の名前は上がらない。

 

 

指名人数に差はあったのか?

ドラフト指名の人数に左右で差があったのか見てみよう。
さきほどと同様に、左が右打者、右が左打者とする。

 

    右打者     左打者

  堂林翔太(D2)  庄司隼人(D4)
  磯村嘉孝(D5)  野間峻祥(D1)
  菊池涼介(D2)  土生翔平(D4)
  鈴木誠也(D2)  田中広輔(D3)
  高橋大樹(D1)  桒原樹(D5)
  上本崇司(D3)  西川龍馬(D5)
  下水流昂(D4)  坂倉将吾(D4)
  美間優槻(D5)  小園海斗(D1)
  船越涼太(D4)  林晃汰(D3) 
  青木陸 (D7)  羽月隆太郎(D7)
  中村奨成(D1)  
  永井敦士(D4)  
  中神拓都(D4)
  正随優弥(D6)

 

見てわかる通り、左打者に比べて、右打者の指名の方が断然多い。
育たないから多く指名しているとも言えるが、やはり確率としては悪い。

 

外国人に頼ってきた右打者

2015年あたりから振り返ってみよう。

  • ライネル・ロサリオ  右 2014-2015
  • へスス・グスマン   右 2015
  • エクトル・ルナ    右 2016
  • ラミロ・ペーニャ   両 2017
  • サビエル・バティスタ 右 2017-
  • アレハンドロ・メヒア 右 2017-

右打者が減少傾向になってきた2015年からを見てみる。
獲得した野手はペーニャ選手の両打席を除き、全てが右打者。
要するに、右打者しか補強していないことがわかる。

さらに、ここにエルドレッド選手が2012年から在籍していた。
おそらく梵選手のケガ、堂林、廣瀬選手の伸び悩みなどが影響している。
これらを考えても、球団として右打者不足が起きていることがわかる。

 

 

2018年で右打者の主力が退団

そして、2018年で新井貴浩選手、エルドレッド選手が退団した。
一軍枠としては、強力な右打者枠が2つも空いた。

そこに誰が食い込んでくるかというところが焦点になる。
しかし、現時点でレギュラー候補と呼べる右打者が存在しない。

仮に、野間、西川、坂倉、小園選手がスタメンに揃ったとしよう。
そこにベテラン田中選手がサードor二塁に入ると思われる。
その頃には、安部選手や松山選手もサブとして機能しているだろう。

また、鈴木選手のポスティングorFA移籍は正直避けられないだろう。
菊池選手に関しても、今オフにもポスティング移籍と言われている。

そう考えると、将来的に主力のほとんどが左打者となる。

 

右打者の育たない環境

右打者が育たない条件として、2つのことが考えられるだろう。

  • 難しい課題のある選手を指名した
  • その課題を解決できない指導法

前者に関しては、スカウトの話、後者は指導者の話になる。

課題があってもプロで治せば良いという考えもあるが、上手くはいっていない。
そうなると、スカウトの時点でリスクの高い選手をある程度外すのも手である。

 

右打者に多い課題

動作分析からの視点で見ると、大半の選手が同じ課題を抱える。
その課題に該当する選手をブルーの文字で表示した。

 

  堂林翔太(D2)  下水流昂(D4)   ※ 美間優槻(D5)
  磯村嘉孝(D5)  船越涼太(D4) 
  菊池涼介(D2)  中村奨成(D1)
  鈴木誠也(D2)  永井敦士(D4)
  高橋大樹(D1)  中神拓都(D4)
  上本崇司(D3)  正随優弥(D6)

    ※ 中村、上本選手は、プロ入り後ほとんど見てないので不明

 

仕事に関係するため、内容を詳しく紹介しないが、上記の通り。
もちろん選手により度合いの差はあるが、おおむね共通している。
これに関しては、入団時からチェックしているが現在も変わりはない。

菊池選手、鈴木選手もその傾向はあるが、上手くカバーしている。

ただ、鈴木選手は時折その顔を出す。
シーズン中に成績と本人の満足度が一致しないのはそのためだ。
本人が内容に満足していなくても、結果が出ていることが多々ある。
そういった意味でも、単なる結果だけで全ては判断できないと言える。

話を戻すと、上記の選手たちは特定のコースや球種に課題を持っている。
逆説的に言うと、動作に課題があるから物理的にそうなってしまう

2軍では3割を打てても、1軍では打てない選手がいる。
キャンプやオープン戦当初は目立つが、徐々に名前を聞かなくなる。
そうした選手の多くが今回の課題を持ち、シーズンでは良い結果が出ない。

ただし、その課題があっても活躍している選手は何人かいる。
長野久義選手や山川穂高選手のように上手く克服している選手もいる。
それはそれで1つの方法として成功しているので、手段としては正解だろう。

要するに、課題自体を改善するか、別の方法でカバーするかしかない。
いずれにせよ対応策を打たない限り、レギュラーとして活躍するのは厳しい。

 

[余談]データは結果に過ぎない

これまで使ってきた数字(データ)は、単なる結果に過ぎない
その結果を生むまでの過程がどうであったのかがとても大事になる。
そのためには物理学的・医学的な視点から動作を解決する必要がある。

私がデータを用いているのは、動作分析とデータの「ヒモ付け」のため。
動作分析に裏付けをするために、単にデータを出しているだけに過ぎない。

この動作ならこんな現象が起こると予測、それに対してデータを割り出す。
「やはり動作での分析とデータが関係しているな」といった感じだ。
分析に裏付けが出来れば、選手に対しても説得力のあるアプローチが出来る。

 

ここまでをまとめると...

最後に少し話が逸れてしまったのでまとめてみよう。

  • 上位指名の選手は1軍で活躍
  • 将来のレギュラー候補は全て左打者
  • ドラフトでは右打者を多く指名するも育っていない
  • 右打者不足を外国人選手の補強に頼ってきた
  • 将来的に左打者ばかりのスタメンになる可能性がある
  • 右打者補強・育成の改善が必要である

以上をまとめるとこんな感じだろう。
左投手不足をよく聞くが、右打者不足も深刻である。

 

まとめ

今回は右打者不足に焦点を合わせてまとめてみた。
話がまわりくどい所もあるが、その点はご了承頂きたい。

カープでは右打者が主力として育ちにくい状況は間違いない。
もちろん左打者がどんなタイプの投手に対しても打てればそれでも良い。

しかし、右打者が育っていないということ自体は課題だろう。
少しでも課題の部分を解決できればチームとしても底上げにつながる。

また、ドラフトでのロスを減らすことも大事だ。
指名においては1選手に対して、契約金・年俸と多額の資金を投資する。
ロスを少なくして選手の獲得をすることで、安定したチーム運営にもつながる。
今後の右打者の台頭に期待をしながら、2019年の開幕を迎えたい。

 

 

以上、カープ野手のドラフト&育成状況からみた期待と課題!…でした。
どこかで誰かのお役に立ててれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

※ 写真の掲載はカープ球団に問い合わせ、許可の範囲内で掲載しています。
※ 記事の盗用を見つけた場合、サイト管理会社・googleなどに連絡致します。

※ ひとりのカープファンの個人的な意見として見て頂けると幸いです。