かーぷらぼ

広島で生まれ育った野球を担当するトレーナーのカープ研究(ラボ)ブログ

丸佳浩選手の穴は確かに大きい...どうやって埋める? 【2】

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さて今回は【1】に引き続き、丸選手の穴をどう埋めるか考えてみます。
そもそも野手で埋めるべきなのかという点にスポットを当てたいと思います。

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そもそも投手陣はどうなの?

前編では打撃の損失は個人では埋まらないが、守備と走塁ならなんとかなる。
その辺の話をしましたが、そもそも打てなければ守れば良いと思う方もいるはず。
確かに、総得点が減っても、総失点が減れば十分に補填できるんじゃないのって話。
取れない分、野手陣の守備も含めて、特に投手陣が頑張れば良いわけで。
現状を考えると、そちらの方が戦力的に補える可能性は高いような気がします。

 

2018年のセリーグの投手成績を振り返る

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チーム防御率は4.12とリーグ3位で、4点台の高い防御率となった。
四球の数も中日よりは良いものの、リーグ5位と記録している。
“四球”は多いが、“死球”は少ないというところも興味深い。
また、自責点も5位のDeNAを僅差で上回ったが、リーグ4位
奪三振は中日が極端に少ないものの、被打率と共にチーム差は特にない。

改めて見てみると、優勝こそしたが良い投手成績ではなさそうだ。
特に今回注目した失点のうちの自責点はリーグ4位とやはり低い傾向にある。
セリーグの中では、結構点を取られている投手陣と言える。

ちなみに“自責点”とは、全失点のうち「投手に責任のある失点」のこと。
野手のエラーなど、投手以外の要素は含まれない計算になっている。

 

参考URL

ja.wikipedia.org

 

「打撃面での損失」を考えてみる

さっきとは少し違った視点から見てみよう。
ここでは先発投手とリリーフ投手の防御率を比較することにする。

 

     防御率      先発     救援   QS率
広島        4.12       4.26      3.87     45.45
ヤクルト      4.13       4.32      3.84     40.56
巨人        3.79       3.63      4.12     50.35
DeNA        4.18       4.30      4.01     31.47
中日        4.36       4.08      4.93     48.95
阪神        4.03       4.23      3.70     46.15


こうして見てみると、巨人の先発に比べ、リリーフ陣の弱さが目立つ。
巨人投手陣を支えているのは、先発陣、特に菅野投手だったと言える。

その逆を示しているのが、阪神とヤクルトと広島の3球団
不安定な先発陣を、3球団ともに手厚なリリーフ陣がカバーした。

中日とDeNAは先発・リリーフともに4点台を記録。
ともに投手陣全体で苦労したシーズンとなったようだ。
特にDeNAはQS率を見てもわかる通り、先発陣の不振が際立った。

 

 

 

課題の残るカープの先発陣...

改めて、カープの話に戻そう。
以前の投稿の通り、やはり先発陣に不安があることはわかった。
2018年の二桁投手がチームで2人と、優勝したチームにしては少ない。
また、規定投球回数に達したのが大瀬良投手とジョンソン投手のみ。
そう考えると、やはり先発陣に課題があるのは間違いない。

 

2018年の先発陣を振り返る

改めて、2018年の先発陣を振り返ろう。
あまり複雑なデータは用いず、今回はベーシックなものを見てみる。

 

         防御率 勝利 敗戦  投球回  援護率  QS率  被打率
大瀬良        2.62       15        7       182            5.18      77.78      .215
ジョンソン      3.11        11       5        144 2/3      5.44     58.33      .255
======================================================
岡田                 5.09         8       7        138            4.99     41.67      .263
九里                 4.26         8       4        120 1/3      6.94     36.84      .274
野村                 4.22         7       6        119 1/3      5.10     45.00      .289

 

点線より上の選手が、「規定投球回数の達成者」になる。
現在のプロ野球ではシーズンに143イニングを投げると達成とみなされる。

九里投手は規定投球以下だが援護率は6.94、多和田投手の6.95に次ぐ2位。
6点台を記録したのは、多和田投手と2人だけである。
九里投手と多和田投手が登板する試合は、打線が7点近く点をとっている。
共に防御率が悪いが、4敗、5敗と打線に助けられて敗戦数は少ない。
こういったこともあり、勝敗だけで投手の能力は判断できない

3投手の勝利数はまずまずだが、防御率やQS率を見ても物足りないことがわかる。
やはり、2019年は岡田投手・九里投手・野村投手の奮起が必要となる。

 

3投手の2017年の成績と比べてみる

岡田投手・九里投手・野村投手の2017年はどうだったのだろか。

 

2018         防御率 勝利 敗戦  投球回  援護率  QS率  被打率
岡田                 5.09         8       7        138            4.99     41.67      .263
九里                 4.26         8       4        120 1/3      6.94     36.84      .274
野村                 4.22         7       6        119 1/3      5.10     45.00      .289

 

2017
岡田                 4.00        12       5        141 2/3     6.45     54.17      .258
九里                 3.64         9        5        116 1/3     5.11     53.85      .247
野村                 2.78         9        5        155 1/3     4.07     68.00      .259

 

青い数字が前年に比べて、悪くなった成績を示している。
これを見ると、3選手ともほとんどの部門で成績を落としている

岡田投手に関しては、被打率や被長打率が上がり、被本塁打も増えた。
そのため、防御率は1.00近く上がり、早い回での降板も目立った。
その他の数字は前年と比べ、ほとんど変わらず、むしろ三振率は上がった。

ちなみに、緑の数字で示す2017年の援護率を見ると6.45とかなり高い。
12勝5敗という好成績は、野手の大きな助けもあり達成されたことがわかる。
やはり勝敗の数は野手との関係性で成り立っている数字だと再認識できる。

ここまでを整理してみると 

  • リリーフ陣よりも先発陣に課題あり
  • 岡田投手・九里投手・野村投手の成績不振
  • 勝敗の数は野手との関係により左右される

この3投手が少しずつでも成績を上げていきたいところ。
前年並みの成績が残せれば、丸選手の損失分の一部も補える。

 

 

 

 

野手や球場などの影響を除いた「投手の力」は?

さらに投手のみの能力を抽出した専門的なデータもみてみよう。
ジョンソン投手は2017年の登板数が少ないため、2016年と比較する。

 

              2017       2018
◎ 岡田               3.67  ⇒  4.37  
◎ 九里               3.43  ⇒  4.88 
◎ 野村               3.79  ⇒  4.42  
◎ 大瀬良      3.67  ⇒  4.06 
◎ ジョンソン    2.90  ⇒  3.70     (※) ジョンソンのみ2016年との比較

 

主な先発陣は2017年に比べてそろって低下している。
ジョンソン投手に関しては、比較が沢村賞を受賞した2016年なので仕方ない。
とはいえ、表向きの勝利数とは異なり、すべての投手が低下傾向にあった。

チームの全投手で見てみると、2016年と2017年は3点台。
そして3連覇を果たした2018年は3年間で最も悪い4点台に低下した。
特に被本塁打と四球が増加し、失点率も1点近く増加している。
攻撃陣に大きな変化が見られなかった3年間だが、投手陣は徐々に下降気味に。

新戦力に期待したい2019年

以上のような投手陣ではあるが、チームも十分わかっている。
即戦力投手として島内投手、外国人にはレグナルト投手とローレンス投手。
さらに福井投手との交換トレードで楽天から菊池保投手を獲得した。
現時点の構想ではローレンス以外は中継ぎに回ることになりそうだ。

そして新戦力ではないが、先発陣には床田投手が入りそうな勢いだ。
1年目もケガがなけばある程度の勝利数を挙げていただろう投手。
ケガの間にフィジカル面も改善することでさらに力を増して帰ってきた。
オープン戦次第にはなるが、是非ともローテーション入りを期待したい。

 

まとめ

今回は後編として投手陣を中心にデータを整理してみた。
上記のとおり、2018年の投手陣の成績に改善の余地がみられる。
丸選手の損失を埋める要素として、投手陣の整備も必要だろう。
冒頭に述べたように失点を防げれば、得点力の低下も十分にカバーできる。

今年はどんな選手が現れるだろうか、誰が復活を遂げるだろうか。
2018年のフランスア投手のような救世主が現れるかも知れない。
いずれにせよ、これから始まる2019年シーズンが楽しみだ。

 

以上、丸佳浩選手の穴は確かに大きい...どうやって埋める? 【2】…でした。
どこかで誰かのお役に立ててれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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