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大瀬良大地投手、沢村賞獲得に向けて必要なものは?【後編】

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今日からマツダスタジアムのチケット販売が始まったようですね。
さて、前編では2012~2018年の沢村賞受賞者の傾向を中心に投稿しました。
今回はそれらと大瀬良大地投手とを照らし合わせながら分析したいと思います。

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前編はこちら

www.carp-damashii.work

 

2018年の大瀬良投手の選考基準達成度は?

  年度      受賞者     登板   完投  勝利    勝率   投球回   三振   防御率 

2018年 大瀬良大地      27    2   15   .682  182.0  159   2.62

 

改めて、2018年の大瀬良投手の成績を振り返ってみる。
前編で出てきた「選考基準7項目」の達成度を見ると、4項目で達成している。
達成度としては良い方であると思われるが、やはり菅野投手の成績が圧巻だった。
相対的評価なため、例年なら受賞する成績を残しても選ばれない年もある。

 

「4つの必須項目」の達成度は?

さらに前編で挙げた4つの必須項目の達成度をみてみる。
4つの必須項目とは「登板数、勝利数、勝率、防御率」になる。

 

    年度      受賞者     登板   完投  勝利    勝率   投球回   三振   防御率 

  2018年 大瀬良大地      27    2   15   .682  182.0  159   2.62

 

達成度は4項目中3項目、防御率のみ達成できていない。
2012~2018年の7例を見ると、防御率は1.27~2.15の間にある。
この間の防御率の平均は1.87と、平均から見ると0.75も高い。
1試合平均で1点弱ほど自責点が多い計算となる。
仮に27試合登板で計算すると、年間の自責点が20程度は多くなる
0.75と聞くとたいした数字ではないが、年間だと結構な数字になる。

 

 

クオリティスタート率を追加してみると

前編のデータに加えて、クオリティスタート率(QS率)も加えてみる。
「QS」とは簡単に言えば、「6回以上投げて自責点3点以内に抑える」こと。

 

   年度    受賞者     登板  完投  勝利    勝率   投球回   三振   防御率  QS率

 2012年 攝津正           27    3   17   .773  193.1  153      1.91      88.84

 2013年 田中将大       28       8   24 1.000  212.0   183   1.27    100.00 

 2014年 金子千尋          26    4   16   .762  191.0     199   1.98      84.62

 2015年 前田健太     29    5   15   .652  206.1  175      2.09      89.66

 2016年 ジョンソン     26   3   15   .682  180.1  141      2.15      92.31

 2017年 菅野智之      25   6   17     .773  187.1  171      1.59       84.00

 2018年 菅野智之   28  10     15     .652  202.0     200      2.14      70.37

  =================================================

   2018年   大瀬良大地        27    2   15  .682  182.0  159    2.62      77.80

 

ここで意外にもわかることは、2018年の菅野投手のQS率は低いということ。
完投数に関しては、2012年以降最多であるのにQS率が低い結果となった。
この点から、完投できる試合以外は意外に早い回で降板していると想像できる。
本人も絶好調の年ではなかったという通り、波のあるシーズンだった可能性もある。

再度、全体の結果を見てみると、やはり84~100%と高い
2013年に記録した田中投手の数字は、再三にはなるが異次元である。
2018年からQS率が選考基準の補足として追加された意味を再認識出来る。

大瀬良投手に話を戻すと、まずまずといったところだが一押し足りない。
80%のラインがクリアできてくると、もう少し投球回数も増やせてくる。

 

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大瀬良投手の成績を整理すると

  • 登板数・勝利数・勝率・三振数はクリアしている
  • 防御率が平均と比べて良くない
  • QS率が平均と比べて少し物足りない

以上のような結果となった。
防御率・QS率・投球回に関しては連動して変化するので改善したい。
完投数も少ないが、ここは前編の話の通りあまり気にしなくても良い。

 

失点の多さを作る課題

大瀬良投手の課題は被本塁打の多さにある。
被本塁打とは簡単に言えば『本塁打を打たれた数』のことになる。
キャリアハイの2018年でもリーグ最多の本塁打を打たれている。

ライバルの菅野投手と『打たれた割合』で比べてみると、2倍近くの数値になる。
10勝を達成した2014年と2017年を見ても、同じような傾向がみられる。
意外にもストレートに課題があり、まだまだ改善の余地がみられそう。
この原因に関しては予測はついているが、明確なデータがないので割愛する。

また、ランナーを背負った場面でも1割近く高い割合で打たれている。
本人も2019年の課題として、セットポジションでの投球を挙げていた。
菅野投手に負けないためには、この課題は是非とも改善したい。

 

 

 

単純な「投手の能力」でみると

沢村賞の選考基準とは関係ないが、投手の能力を示す数値をみてみる。
2014年以降のデータになるが、2.00台前半から後半を示している。
そこに2018年の大瀬良投手を比較すると、4.00台とやはり高い。
防御率と同じように見ればわかりやすいが、やはり高い数字が出た。
専門的なデータのため沢村賞とは無関係だが、ここでも結果が見られた。
これを高くしている要因としては、やはり先ほどの課題だろうと思う。

 

まとめ

前編・後編と2回にわたり、沢村賞について分析してみた。
歴代の受賞者と大瀬良投手を比較することで、少し課題がみえてきた。
もちろん本人は十分に理解している課題なのは間違いないだろう。
まだまだ完成形ではない大瀬良投手にはこれからの成長が期待が出来る。
2019年シーズン、12球団を代表するような投手になることを願っている。

 

 

以上、大瀬良大地投手、沢村賞獲得に向けて必要なものは?【後編】…でした。
どこかで誰かのお役に立ててれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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