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大瀬良大地投手、沢村賞獲得に向けて必要なものは?【前編】

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とうし先日で春のキャンプも終わり、いよいよオープン戦。
今シーズン、エースとして認められるために大事な1年となる大瀬良大地投手。
球界を代表する投手に贈られる沢村賞獲得に向けて何が必要か考えてみました。

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沢村賞とは

 

改めて沢村賞を振り返る。
一般的に沢村賞と呼ばれているが、正確には『沢村栄治賞』とのこと。
ちなみに「沢村栄治」とは1930~1940年代に活躍した元読売巨人軍の投手。

ja.wikipedia.org

 

 

2012~2018年の受賞者

 

改めて、2012~2018年の受賞者を年度順に振り返る。
            ※ 数字が小さいので拡大してください。

 

   年度    受賞者     登板  完投  勝利    勝率   投球回   三振   防御率 

 2012年 攝津正           27    3   17   .773  193.1  153   1.91

 2013年 田中将大       28    8   24 1.000  212.0  183   1.27

 2014年 金子千尋          26    4   16   .762  191.0     199   1.98

 2015年 前田健太     29    5   15   .652  206.1  175      2.09

 2016年 ジョンソン     26    3   15   .682  180.1  141      2.15

 2017年 菅野智之      25    6   17   .773  187.1  171      1.59

 2018年 菅野智之   28  10   15   .652  202.0     200      2.14

 

圧巻なのは2013年の24勝0敗勝率1.000の田中将大投手。
20勝で見ていけば、2008年に岩隈投手が21勝したが、それでも勝率は.840。
もう少しさかのぼると、2003年に20勝で井川慶投手が.800斉藤和巳投手が.870
20勝をあげるような投手でさえも、勝率.900以上は超えていない。

田中投手を除いてみても、過去最高は1966年の堀内恒夫投手の.899が最高。
過去のプロ野球の歴史を見ても.900を超えた沢村賞投手は田中将大投手だけである。
これに加え、黒星が1つもつかずにシーズンを終えたのは奇跡に近い。

 

 

沢村賞の条件とは

基本的に選考基準は7項目。

  • 登板試合数 / 25試合以上
  • 完投試合数 / 10試合以上
  • 勝利数 / 15勝以上
  • 勝率 / 6割以上
  • 投球回数 / 200イニング以上
  • 奪三振 / 150個以上
  • 防御率 / 2.50以下

  ※ 2018年からはクオリティスタートを補足として追加

 

受賞者たちの基準達成度

 

実際に受賞者たちがどれだけこの基準を達成していのか。

 

   年度    受賞者     登板  完投  勝利    勝率   投球回   三振   防御率 

 2012年 攝津正           27    3   17   .773  193.1  153   1.91

 2013年 田中将大       28    8   24 1.000  212.0  183   1.27

 2014年 金子千尋          26    4   16   .762  191.0     199   1.98

 2015年 前田健太     29    5   15   .652  206.1  175      2.09

 2016年 ジョンソン    26    3   15   .682  180.1  141      2.15

 2017年 菅野智之     25    6   17   .773  187.1  171      1.59

 2018年 菅野智之     28  10   15   .652  202.0     200      2.14

 

これを見ていくと、すべての投手が達成できたのは以下の4つとなる。

  • 登板試合数
  • 勝利数
  • 勝率
  • 防御率

2012年の攝津投手、2016年のジョンソン投手の完投数と奪三振数は少ない。
全般的に見ても、完投数を達成しているのは2018年の菅野投手だけになる。
奪三振数の条件を満たすのも、2014年の金子投手と2018年の菅野投手の2人。
必ずしもこの2つの数字は重要視されている訳ではないのがわかる。

とにかくにも、2018年の菅野投手が全てクリアしたのは圧巻であった。
ただ、本人も自覚している通り、ベストな状態ではないシーズンだったのも事実。
それでもこれだけの数字を記録できることが球界No.1投手の証である。

 

 

 

攝津投手とジョンソン投手の共通点

 

2012年の攝津投手の奪三振率が7.12と決して高いとは言えない。
同様に、2016年のジョンソン投手も7.04と高い投手とは言えない。
共に三振数の多い投手ではなく、打ち取るタイプに属する。
特に2016年のジョンソン投手においては、打球の6割近くがゴロとなった。

また、共通する項目としてクオリティスタート率が高さにある。
攝津投手が88.89%、ジョンソン投手が92.31%とリーグトップクラス。
完投数こそ3と最も少ないものの、平均して先発の役割を果たしていた。

この2人からわかることは、評価基準として投手タイプも加味されている。
必ずしも三振数が沢村賞を決める基準とはならないことを示した。

 

クオリティスタートの関連記事はこちら

www.carp-damashii.work

 

沢村賞と優勝は関係するのか

 

実際に受賞者たちがどれだけこの基準を達成していのか。

 

   年度    受賞者     登板  完投  勝利    勝率   投球回   三振   防御率 

 2012年 攝津正           27    3   17   .773  193.1  153   1.91

 2013年 田中将大       28    8   24 1.000  212.0  183   1.27

 2014年 金子千尋          26    4   16   .762  191.0     199   1.98

 2015年 前田健太     29    5   15   .652  206.1  175      2.09

 2016年 ジョンソン    26    3   15   .682  180.1  141      2.15

 2017年 菅野智之     25    6   17   .773  187.1  171      1.59

 2018年 菅野智之     28  10   15   .652  202.0     200      2.14

 

受賞と同時に優勝したのは2013年の田中投手と2016年のジョンソン投手のみ。
こうして見ていくと、MVPと比べて優勝したかどうかはあまり関係ない。
あくまでもその年に“投手として優れていたかどうか”が大事になる。

 

 

ここまででわかった傾向

 

近年の傾向を観察すると、以下のことがわかる。

  • 登板数・勝利数・防御率のクリアは必須項目
  • 完投数や投球回数よりもクオリティスタート率を優先
  • 三振数は投手のタイプもあり参考程度に過ぎない
  • チームの優勝と受賞はほとんど関係がない

 

改めて考える先発投手の役割

 

近年では完投する投手が減り、完投型投手も数えるほどしかいない。
2018年こそ菅野投手が10完投したが、毎年のように完投が多い訳ではない。
沢村賞の条件に2018年からはクオリティスタート率も補足として追加された。
長く投げることよりも、いかに試合を作るかが重要視されるようになった。

投手タイプとして打ち取るほうが球数が少なく、長いイニングを投げられる。
近年はMLBの影響もあり、小さな変化で打ち取る投手が増えてきつつある。
多くの試合、多くのイニングを投げるためには、それも必要な要素になる。

 

まとめ

 

改めて、沢村賞についてデータをもとに考えてみた。
今回のことで新たに発見したことや再認識したこともあったように思う。
条件が絶対値ではなく、あくまで参考に過ぎないもはっきりとした。
また、今回はベーシックなデータのみであるので簡単な分析に過ぎない。
ここまで前編としてここで終わるが、改めて後編へとつなげていきたい。

 

以上、大瀬良大地投手、沢村賞獲得に向けて必要なものは?【前編】…でした。
どこかで誰かのお役に立ててれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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