新外国人投手としてDJ.ジョンソン投手との契約が合意に至りました。
今回はDJ.ジョンソン投手のこれまでのキャリアについて話を進めていきます。
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また、使用している写真は著作者・肖像者に連絡をとり許可を頂いています。
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DJ.ジョンソン投手と契約合意
10月25日にDJ.ジョンソン投手との契約が発表されました。
マスコミ各社に向けて発表された契約状況は以下の通りです。
- Daniel Stuart Johnson
- 1989年8月30日
- 193cm、104kg
- 右投げ・左打ち
- 契約金1600万円、年俸6000万+出来高
- 背番号は未定
日本のマスコミに対し、広報を通じて以下のようにコメントもしています。
「自分の力が日本で証明できる新たな機会をとても楽しみにしています。チームの勝利に貢献できるように全力を尽くしたいと思います。応援よろしくお願いします」
~ 広島が新外国人投手のD・Jジョンソンと契約 / 日刊スポーツ https://www.nikkansports.com/baseball/news/201910250000194.html
① アメリカでのキャリア
まずはアメリカでのキャリアを振り返っていきます。
アメリカではMLB5球団、独立リーグ1球団でプレーしています。
概要 | |
---|---|
2009年 | MLBドラフトで指名されず |
2010年 | 6月にタンパベイ・レイズとマイナー契約 |
2011年 | 7月まで独立リーグに所属 |
2011年 | 7月にアリゾナ・ダイヤモンドバックスにマイナー契約 |
2014年 | 7月まで独立リーグに所属 |
2014年 | 7月にミネソタ・ツインズに入団 |
2016年 | マイアミ・マーリンズと契約後、アナハイム・エンゼルスに移籍 |
2017年 | コロラド・ロッキーズとマイナー契約 |
2019年 | 10月にコロラド・ロッキーズがリリース(放出) |
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② メジャーリーグでの成績
まずは2019年のシーズン成績を振り返ります。
上段がマイナー成績、下段がメジャー成績になります。
概要 | |
---|---|
2019年 AAA | 40試合(48回) 4勝1敗 5.63 |
2019年 MLB | 28試合(25回) 0勝2敗 5.04 |
次にMLBでの通算成績は以下の通りとなります。
概要 | |
---|---|
MINOR通算 | 313試合(406回) 21勝20敗 3.81 |
MLB通算 | 35試合(31回1/3) 1勝 2敗 4.88 |
③ 10月23日にロッキーズがリリース(放出)
10月23日にコロラド・ロッキーズがDJ.ジョンソン投手をリリース。
同時に、ジョンソン投手が日本でのプレイを希望していることも報道されました。
本日、カープが獲得を発表したことから24日には契約を交わしたことになります。
事前に調査はしていたとは思いますが、即獲得に動くことで契約合意に至りました。
④ 地元紙「The Denver Post」で「優勝したい」とのコメントも
地元紙ではDJ.ジョンソン投手は日本球界挑戦について以下のようにコメントしています。
残されたプロ野球選手での時間も考慮し、「1度は優勝したい」という思いを伝えていました。
I want to win here,” Johnson said. “I don’t know how much longer I’m going to be playing, so a championship somewhere would be nice. And ever since I was young, I’ve wanted to see what baseball was like in a different part of the world. I’m taking it all in, embracing the culture change, and putting my focus on being a good teammate and being respected over here.
「いつまでプレーするかわからないので、どこかで優勝でしたい。そして、私は若いころから、世界の別の場所で野球がどのようなものかを経験したかった。私はすべてを取り入れ、文化の違いを受け入れ、優れたチームメイトとなり、ここで尊敬されることに焦点を当てています。」
~ The Denver Post 2020年5月17日
https://www.denverpost.com/2020/05/17/rockies-dj-johnson-improbable-baseball-journey-continues-japan/
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投手キャリアの多くは「リリーフ登板」
プロ入りした2010年からの年間登板数を見ていきます。
2011年と2014年の前半は独立リーグのTraverse City Beach Bumsでプレイ。
2013年に関しては、ケガのため登板することなくシーズンを終えています。
登板数を見ていくと、選手生活を通してリリーフ登板が主な役割だとわかります。
10年間で40試合登板を6度記録しており、2019年は65試合を超えています。
カープでも同様にリリーフ投手の一因として契約したことが想像できます。
図1 登板試合数
① 球種や投球タイプは?
球種をみていくと、主に投げているのはストレートとカーブの2種類。
カーブを使う右投手が少ないカープの補強ポイントに合致したのかも知れません。
ただ、2018年から見ると2019年はストレート割合をやや増やしています。
強振されるケースも多かったのか、カーブで強い打球を打たれることが増えました。
以上から、2019年は主にストレートで押していく傾向だったことがわかります。
ストレート平均球速は93マイル前後で、約150キロ程度のストレート。
ただし、映像を見る限り、回転量が多いというタイプではなさそうです。
図2 球種割合
三振はマイナーでは2018-19年は30%を超え、三振を獲れるタイプ。
ただ、2019年シーズンはMLBでは四球がやや多いのは気になります。
それ以外の直近の成績を見る限りは、極端に四球を出してはいません。
比較的三振を取れて、四球で崩れることは少ない投手と言ってよいでしょう。
気になる点をあげると「対右打者」の対戦成績にあります。
左打者に比べて、右打者の被打率が.060近くも高くなっています。
環境が違うため、この数字をそのまま日本に置き換えることできません。
打者も違えば、球場も違えば、ボールさえも違うので差があって当然です。
また、ストライクゾーンの違いや牽制などの適応力も試されています。
しかし、傾向として「バランスの取れたタイプ」だと想像できます。
ただ、大きな特徴がないことがマイナス要素として影響する可能性もあります。
① 「ジョンソン投手」が2人で登録名はどうなるのか
ご存じの通り、カープにはすでにクリス・ジョンソン投手がいます。
そうなるとDJ.ジョンソン投手の登録名はどうなるのかにも興味がわきます。
クリス・ジョンソン投手はすでに「ジョンソン」として浸透しています。
いまさら「クリス」や「KJ」などに登録することもまずないでしょう。
DJ.ジョンソン投手の正式名は「ダニエル・スチュワート・ジョンソン」。
わかりやすいところでは「DJ」や「ダニエル」となることも予想できます。
ちなみに、以前在籍したニック・スタビノア選手の登録名。
スタビノアは呼びにくいため、ファーストネームの「ニック」を使用しました。
登録名は「DJ.ジョンソン」に決定
※ 楽天移籍後はジョンソン名は1人のため登録名は「ジョンソン」となりました。
MLBで活躍する元「助っ人」たち
近年、日本で実績を残した投手たちがMLBで活躍しています。
最も有名なところでは巨人のマイルズ・マイコラス投手になると思います。
2018年はMLB復帰1年目でナ・リーグ最多勝のタイトルも獲得しました。
カープでは不発だったライアン・ブレイシア投手もMLBで活躍しています。
一時期はレッドソックスの抑えも任せられ、ワールドシリーズでも登板しました。
(※ ライアン・ブレイシア投手はMLBでの登録名はブレイジャー)
他にも日本ハムのクリス・マーティン投手もリリーフで40試合登板を記録。
過去2年間で100試合以上の登板を果たしており、フル回転の活躍をしています。
また、ジェイ・ジャクソン投手も2019年後半戦はリリーフで貢献しました。
2020年の去就はまだ決定していませんが、日本復帰の可能性も考えられます。
ブログ内の関連記事を読む
[ MLB復帰選手の2018年成績 ]
成績 | |
---|---|
マイルズ・マイコラス | 32試合 18勝4敗 2.83 ※ 最多勝 |
クリス・マーティン | 46試合 1勝5敗 4.54 |
ライアン・ブレイシア | 34試合 2勝0敗 1.60 ※ WS出場 |
[ MLB復帰選手の2019年成績 ]
成績 | |
---|---|
マイルズ・マイコラス | 32試合 9勝14敗 4.16 |
クリス・マーティン | 58試合 1勝 3敗4S 3.40 |
ライアン・ブレイシア | 62試合 2勝 4敗7S 4.85 |
ジェイ・ジャクソン | 28試合 1勝 0敗 4.45 |
近年は日本でのプレイを選択肢に入れている選手も多いと聞きます。
日本のプロ野球も少しずつMLBで評価され始めたのかも知れません。
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追記 : 楽天へ金銭トレードに
2020年9月21日に楽天への金銭トレードが発表されました。
カープでは起用する意思がないということでのトレードだと思います。
期待された成績は残せないままカープを去る事となりました。
楽天ではカープでの不完全燃焼を払拭するような活躍を期待しています。
[ 2020年の投手成績 (9/21時点) ]
成績 | |
---|---|
1軍成績 | 14試合 0勝0敗1H 4.61 (13回1/3) |
2軍成績 | 12試合 0勝0敗0H 2.25 (12回) |
① カープ退団と楽天入団のコメントを発表
地元紙の中国新聞では以下のようにコメントを発表しています。
「カープのユニフォームを着られたことは生涯忘れることはありません。広島での私の時間を素晴らしいものにしてくださった監督、コーチ、選手、通訳の皆さんには感謝しきれません。ファンの皆様の応援にはとても感謝しています。広島で過ごした時間をいつまでも覚えておきます。」
~ カープ、DJを楽天に金銭トレード / 中国新聞
また、楽天の入団会見で以下のようにコメントしています。
同時に石井一久GMが昨オフから獲得調査をしてことを明かしています。
「どんな形でもチームに貢献できる働きができるのであれば、どこでもサポートできる。何とか残りシーズンで追い上げてCSに出られるように、一生懸命チームに貢献したい。」
[ 楽天ゴールデンイーグルス入団会見 ]

引用元 : 【2020/9/21】 D.J.ジョンソン選手入団会見 / 東北楽天ゴールデンイーグルス
[ 移籍後初登板 ]

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ここまでわかったこと
ここまでわかったことをまとめます。
- アメリカではMLB5球団、独立リーグ1球団でプレー
- アメリカではチームを転々とした苦労人
- 日本でのプレイを希望してそれが叶った
- プロ入り以来、主に中継ぎを任される
- まずまず三振を取れて、四球で崩れないタイプ
- ジョンソンが2人になり登録名が気になる
- 2020年の外国人選手は6人目となる
今回のまとめ
今回はDJ.ジョンソン投手のキャリアを中心に話を進めてきました。
これまでのキャリアで見てきたように、なかなかの「苦労人」です。
ただ、どんな環境でもやれるタフさは持っているのかも知れません。
今回は自らが日本でのプレーを希望して即契約に至りました。
近年、日本で活躍した投手がMLBで活躍したのも影響したかも知れません。
また、MLBでプレーを続けるよりも日本での待遇の方が良いと思います。
日本で上手く活躍できれば長い期間プレーすることも可能となります。
DJ.ジョンソン投手も日本で成功し、カープで長くプレーして欲しい。
毎年のように中継ぎ不足に見舞われるカープ中継ぎ陣。
2020年には文字通り「助っ人」といえる投球を期待しています。
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