【 2019年のセ・リーグリリーフ事情 】阪神のリリーフ陣が見せる「抜群の安定感」と「ベンチの投手運用」

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リリーフ陣に苦労したカープの2019年シーズン。
今回はセ・リーグのリリーフ陣にスポット当てながら話を進めていきます。

 

セ・リーグリリーフ陣の登板数

 

セ・リーグ6球団のリリーフ投手の登板数をグラフ化した。
ここでピックアップしたのは年間30試合登板以上のみとした。
最多登板は74試合でDeNAのエスコバー投手。
No.2は71試合で同様にDeNAの三嶋一輝投手。
No.3はヤクルトの梅野雄吾投手とハフ投手の2人で68試合。

70試合が2人、60試合が8人、50試合が13人、40試合が7人、30試合が10人。
巨人を除く5球団では共に外国人投手のシーズンフル回転での奮闘が目立った。
注目したいのは阪神で、他の球団に比べ平均的なグラフになっているのがわかる。
特定に投手に過度な負担をかけることなく、全体で負担を上手く分散出来ている。

カープに関しては、実績組の不振から新戦力に負担のかかるシーズンとなった。
上位にいるのはフランスア投手のみで、中﨑投手もシーズン途中で離脱した。
一岡投手も同様に2度の離脱があり、シーズン終盤は2軍生活が中心となった。

図1 セ・リーグリリーフ陣の登板数

 

登板数と防御率の関係性

 

次に登板数と防御率の関係性をプロットした。
阪神リリーフ陣のほとんどがグラフの下の方の防御率が低い位置にいる。
7人のうち4人が防御率1点台で、ドリス投手も2点代前半を記録。
先ほどのように特筆した登板数を記録した投手はいない。
しかし、これだけ揃って優秀な防御率を記録するのは素晴らしい。
野手陣が低迷しても3位になった理由のひとつはここにあるだろう。

反面、カープはリリーフ陣の不振が目立った1年となった。
当然ながら、素晴らしい防御率を記録した投手は存在しなかった。
特に中﨑投手が全くといって良いほど機能しなかったのが痛かった。
ただ、菊池保則投手や中村恭平投手の奮闘は今後に期待出来る。
また、終盤に失速してしまったが遠藤淳志投手の活躍が目立った。
実質1年目に近いリリーフ陣たちは十分な活躍だったと思われる。
とにもかくにも、勤続疲労気味の実績組の不振が際立った1年だった。

図2 登板数と防御率の関係性

 

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防御率と総合評価の関係性

 

防御率を見てきた運よく点を取られていない可能性もある。
例えばランナーは頻繁に出すが抑えた、次の投手が抑えたなどである。
防御率は良いが、毎度冷や冷やしながらの登板の投手も中にはいる。
そこで、先ほどの防御率と投手の総合評価との関係をプロットした。
左下に行くほど、防御率も投球内容も共に良い投手である。

やはり阪神リリーフ陣が左下グループのほとんどを占めている。
防御率のみならず投球内容も良いことがこれで証明できただろう。
登板数を除けば、セ・リーグNo.1リリーフはジョンソン投手。
途中で離脱したが、抜群の安定感を誇り、特に前半の活躍が目立った。

少し注目したいのは岩崎投手と島本投手。
防御率に比べて投球内容の数値が少し悪いようである。
おそらく2人とも本塁打に関する数値が影響していると思われる。
とはいえ、防御率が良すぎるだけでこの記録でも優秀な記録と言える。

カープに目を移すとやはり中﨑投手は右上に位置している。
レグナルト投手も投球内容の低いグループに属している。
他の投手はほぼ中間に位置しており、平均的な投球内容であった。
突出した投手が1人もいない中で戦った1年であったことがわかる。

それでも、離脱はしたが中村恭平投手の奮闘は称賛して良いだろう。
ただ、来年も同様の活躍が期待出来るのかは正直微妙なところではある。
前半の球威は後半ではほとんど見られず、体力面での課題が残った。
また、肘(ひじ)痛も発症し、連投が難しくなってきた印象もある。
球速や登板数や球数など急に負荷が上がると故障の原因となりやすい。
2019年の飛躍はそれら条件を全て満たしていたと言える。
特に球威の向上は著しく、約10km/h近くもMAXが向上した。
それが活躍した理由であり、故障を生む理由でもあり、諸刃の剣であり。
このオフにどれだけ回復出来るかどうかが2020年シーズンの鍵を握る。

図3 防御率と総合評価の関係性

 

阪神リリーフ陣の優秀さが際立った2019年シーズン

 

こうして見ていくと、やはり阪神は「実績組と新戦力のバランス」が良い
実績組がしっかり働きながら数人が上手く入れ替わりを図ることが出来ている。

近年リリーフ陣を支えた石崎剛投手、ラファエル・ドリス投手、高橋聡文投手など。
それらと入れ替わるように、島本浩也投手や守屋功輝投手が奮闘した。

抜けた戦力を新戦力がしっかりと補って、その損失分を上手く埋める。
上手く「循環」していくことで、特定の投手に負担をかけずに済む。
そうすることで、実績組も長期的に活躍出来、崩壊することなく維持出来る。

この辺りが毎年のように阪神リリーフ陣が好成績を残している所以だろう。
金本智憲監督時代もそうだったように、矢野耀大政権でも引き継がれている。

そして、何より抑えに復活した藤川球児投手は称賛に値する
2018年は敗戦処理などの役目も果たしたが、2019年は途中から抑えに復帰。

やはり適切な役割を与えることでモチベーションと共に球威も戻りつつある。
防御率も7年ぶりに1点代に回復し、名球会の250セーブも目前に迫った。

39歳を迎える松坂世代、同年代が引退していく中で見事な復活劇と言える。
2020年はケガすることなく是非250セーブを達成してもらたいと思っている。

 

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ここまでわかったこと

 

ここまでわかったことをまとめてみよう。

  • セ・リーグ最多登板はエスコバー投手で74試合
  • 巨人を除く5球団で外国人投手がフル回転
  • 阪神はリリーフ陣の登板数が全体的に平均化
  • カープのリリーフ陣は実績組の不振が際立った
  • 防御率・投球内容ともに阪神が優秀な記録
  • 阪神リリーフ陣の安定化がリーグ屈指
  • 藤川球児投手の名球会入りに期待

今回のまとめ

 

今回はセ・リーグのリリーフ陣を中心に話を進めてきた。
やはり阪神リリーフ陣の安定感と活躍がリーグの中でも際立っていた。
上手く新旧の循環が図られ、特定の投手に過度な負担もかけていない。
優秀な投手がいてこそだが、投手運用も上手くいっているように思われる。

カープにおいてはリリーフ陣が崩壊して厳しい1年となった。
3連覇の中、特定の投手に過度な負担をかけ続けた采配が目立った。
勝ちパターンに拘るが故に、大量得点差でもそれを崩さず登板させ続けた。
中﨑投手は2018年からすでに勤続疲労の兆候は出ていたが、今年ついに露呈。
とても抑えを任せられない状況だったが、それでも任せたことも成績に繋がった。

新たな監督を迎える2020年シーズン。
ここ数年、偏った投手運用をどう改善していくのか注目のポイントとなる。
佐々岡投手コーチが新監督だという噂も「とある筋」から耳にしている。
そうなると、新たに誰が1軍投手コーチを担うのかも注目ポイントである。

2019年にリリーフを務めた投手がそのまま2020年も担う訳ではない。
特に遠藤投手は早めに先発に転向してくれることを願いたい。
将来のエースを担う投手を登板過多で潰してしまわない配慮が必要である。

3連覇のつけとも言えるここにきてのリリーフ陣の崩壊。
実績組の復活と新戦力の台頭に期待しながら投手陣再建が急務となる。

 

 

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