近年はドミニカカープアカデミーから多くの選手が来日して活躍しています。
今回はカープアカデミーの育成契約選手と練習生について話を進めていきます。
ブログ運営の方針
当ブログは『プロ野球の著作権・肖像権』に準じた運営を心掛けています。
また、使用している写真は著作者・肖像者に連絡をとり許可を頂いています。
[ スポンサーリンク ]
育成契約のアルフレッド・メナ投手とロベルト・コルニエル投手
2020年は2人の投手が育成契約選手として登録されています。
アルフレッド・メナ投手は2019年に、ロベルト・コルニエル投手は2020年に契約しました。
- アルフレッド・メナ投手 (26) Alfredo Mena
- ロベルト・コルニエル投手 (24) Robert Corniel
① 2019年に育成契約したアレフレッド・メナ投手
2019年に育成選手したのがアレフレッド・メナ投手。
エマイリン・モンティージャ投手と同時に育成契約したカープアカデミー出身の選手。
右のオーバースローでストレートは最速158キロの速球派投手とのこと。
「育成選手になれてとてもうれしく思います。長く1軍でプレーできる選手になれるように、チームメートの皆と一緒になって頑張っていきます。自分の特長としては、球速が158キロ出ることです」
それ以前はMLB球団に所属した経歴もあり、プロデビューはアメリカ。
ただ、最終的にシングルA止まりで、結果を残せず4年で退団に至っています。
最後の2年間はルーキーリーグで防御率 6.00台を記録し、厳しい成績でした。
[ MLB成績 ]
所属リーグ | 成績 | |
---|---|---|
2014 | ROK | 15試合 2勝3敗 1.93 |
2015 | ROK | 12試合 2勝1敗 2.83 |
2016 | ROK | 20試合 3勝3敗 6.75 |
2017 | ROK | 4試合 1勝0敗 6.00 |
2018 | A | 7試合 0勝0敗 6.52 |
通算 | 58試合 0勝0敗6S 4.10 |
① ウエスタンリーグでの成績
2019年以降の2軍での通算成績は以下の通りです。
主は先発登板ですが、リリーフとしても登板しています。
成績 | |
---|---|
2019 | 9試合(6先発) 2勝3敗 3.45 三振率 7.53 |
2020 | 15試合(8先発) 2勝3敗 2.96 三振率 8.87 |
見ての通り、外国人投手の成績としては目立った成績は残せていません。
支配下選手登録されることもかなり厳しい状況ではないかと思われます。
② 2020年はロベルト・コルニエル投手と育成選手契約
2020年9月29日にロベルト・コルニエル投手と育成選手契約を結びました。
背番号は147で、年俸は230万で、以下のように本人はコメントしています。
「球団に育成選手というチャンスをいただき感謝しています。自分の長所である速球と技術をさらに磨いて、1日でも早く支配下選手となり1軍のマウンドで投げられるように精いっぱい頑張っていきます。応援よろしくお願いします」
アレフレッド・メナ投手と同様にMLB球団に所属した経歴もあります。
同じくシングルA止まりで、目立った結果を残せず6年で退団に至っています。
マイナー時代は1試合のみ先発しただけで、あとはリリーフで登板しました。
[ MLB成績 ]
所属リーグ | 成績 | |
---|---|---|
2013 | ROK | 10試合 0勝0敗 4.50 |
2014 | – | disabled list |
2015 | ROK | 8試合 0勝2敗 5.27 |
2016 | ROK | 18試合 1勝2敗 3.00 |
2017 | A-・A | 18試合 1勝0敗 4.15 |
2018 | A-・A+ | 15試合 0勝1敗 6.16 |
通算 | 69試合 2勝5敗2S 4.28 |

① ウエスタンリーグでの成績
2020年の2軍での通算成績は以下の通りです。
すべてがリリーフでの登板となっています。
成績 | |
---|---|
2020 | 10試合(0先発) 1勝1敗1S 3.00 三振率 8.25 |
2軍ではありますがリリーフとしてはまずまずの内容を残しました。
大きく制球を乱すことなく、150キロを超えるストレートを投げています。
個人的にはアルフレッド・メナ投手よりも期待できるかと思います。
スライダー以外にもうひとつでも変化球の精度があがると面白い存在に。
2021年に支配下登録の可能性が高いのはロベルト・コルニエル投手かと思います。
リリーフ陣が崩壊した2020年のカープにとってはぜひ出てきて欲しい投手です。
[ スポンサーリンク ]
秋季キャンプ参加のドミニカカープアカデミーの練習生
2019年の秋季キャンプにカープアカデミーから3人の練習生が参加しました。
そのひとりのロベルト・コルニエル投手は紹介の通り、育成契約選手となっています。
- マヌエル・サンチェス外野手 (24) Manuel Sánchez
- ミゲル・エラディオ内野手 (23) Miguel Eladio
- ロベルト・コルニエル投手 (24) Robert Corniel
マヌエル・サンチェス選手は2019年1月からすでに練習生として来日しています。
ミゲル・エラディオ内野手とロベルト・コルニエル投手は2019年9月下旬に来日しました。
① ポスト「バティスタ選手」のマヌエル・サンチェス選手
来日中の選手で唯一長距離砲として期待できるのがマヌエル・サンチェス選手。
2019年の秋季キャンプではロングティーでバックスクリーンに放り込む姿も報道されています。
カープ練習生の「サンチェ君」ことマヌエル・エンリケ・サンチェス・ルナ外野手(24)です。肩もパンチ力も規格外。ロングティーでバックスクリーンにバコバコ放り込んでました。「過去最高の飛距離は472ft(144㍍)。300㌔のウェートを持ち上げたこともあるよ」。194㌢、107㌔の大砲候補に期待大! pic.twitter.com/rLWLYVfLsG
— 田中昌宏@スポーツ報知 (@tanakamasahochi) November 5, 2019
練習生のため2020年に出場したのは2軍の練習試合のみ。
早く育成契約選手となってどんな実力があるのか見てみたいものです。
サビエル・バティスタ選手が退団し、アレハンドロ・メヒア選手も不発の2020年。
ドミニカカープアカデミーから新たな長距離砲が出現することが期待されます。
① マヌエル・サンチェス選手のMLBでの成績
マヌエル・サンチェス選手も過去にMLB球団に所属した時期があります。
2013年と2016年は二桁本塁打を打ってまずまずですが、目立った成績は残していません。
確実性の低さが目立ちますが、とはいえ一発の魅力のある選手に変わりありません。
「第2のサビエル・バティスタ選手」になれるかどうかに期待がかかります。
[ MLBマイナー成績 ]
所属リーグ | 成績 | |
---|---|---|
2013 | ROK | 69試合 .247 13本 52打点 |
2014 | ROK | 55試合 .240 3本 17打点 |
2015 | A- | 57試合 .273 5本 22打点 |
2016 | A+ | 93試合 .246 12本 39打点 |
2017 | A | 19試合 .176 0本 4打点 |
通算 | 293試合 .246 33本 134打点 |

② 注目されたミゲル・エラディオ選手の「強肩」
キャンプで注目されたのはミゲル・エラディオ選手の強肩。
本職はショートで肩に定評があり、自分でも以下のようにコメントしています。
「自分でも肩はすごいと思うよ。本塁からバックスクリーンまで遠投したこともある。好きな選手はヒガンテス(巨人)のショート(坂本勇)。とにかく肩でアピールしたいね」
~【広島】佐々岡監督、強肩エラディオ「面白い」秋季キャンプにドミニカ5選手 / スポーツ報知 https://hochi.news/articles/20191030-OHT1T50127.html
また、佐々岡真司監督もミゲル・エラディオ選手について以下のようにコメントしています。
「守備を見たけど、面白い存在になるかな」
~【広島】佐々岡監督、強肩エラディオ「面白い」秋季キャンプにドミニカ5選手 / スポーツ報知https://hochi.news/articles/20191030-OHT1T50127.html
はい。こちらがカープアカデミー出身の練習生、ミゲル・エラディオ君。かつてインディアンス傘下でプレーした23歳の内野手。ノックで磯村一塁手が仰け反るような、えげつない強肩を披露しました。ご面相はヤクルト山田哲人選手…のソックリさんの山田別人(@Betsuto_Yamada)にソックリさんの童顔です笑 pic.twitter.com/EVbDRNwSzm
— 田中昌宏@スポーツ報知 (@tanakamasahochi) October 30, 2019
① ミゲル・エラディオ選手のMLBでの成績
ミゲル・エラディオ選手も過去にMLB球団に所属した時期がありました。
正直、打撃力の弱さが目立つのと、長打力が欠けているため起用方法が難しいかという印象。
仮に支配下登録となったとしても、長打力のない選手に1軍外国人枠を使うのはもったいない。
サビエル・バティスタ選手やアレハンドロ・メヒア選手と比較すると見劣りするのは否めません。
[ MLBマイナー成績 ]
所属リーグ | 成績 | |
---|---|---|
2014 | ROK | 61試合 .226 0本 9打点 |
2015 | ROK | 37試合 .168 1本 9打点 |
2016 | ROK | 32試合 .246 0本 10打点 |
2016 | A- | 4試合 .313 1本 4打点 |
2017 | A+ | 95試合 .242 7本 28打点 |
2018 | A- | 4試合 .125 0本 0打点 |
2018 | A+ | 52試合 .225 3本 28打点 |
通算 | 285試合 .246 33本 134打点 |

[ スポンサーリンク ]
多くは過去に「クビ」になった選手たち
ドミニカカープアカデミーの選手の多くはクビを経験してきた選手たち。
MLBのアカデミーをクビになったり、MLBマイナーリーグをクビになったり。
多くの選手がMLBを挫折したあと、カープアカデミーに入っています。
野球選手としてみれば、決して”エリート集団”という訳ではありません。
来日に至る選手も、アカデミーの中でもごくごく僅かの選手のみ。
能力を秘めた選手は多くいても、日本で通用できるかどうか別になります。
① 環境変化の適応能力が必要
来日すると練習、生活、言葉など様々な面で適応能力が必要となります。
楽観的な性格の多い国だと、日本の練習についていくだけでも大変でしょう。
ヘロニモ・フランスア投手は日本で一番苦労したことを以下のように答えています。
「食事です。食べ物ではなく、味の加減に困りました。ドミニカでは料理に塩や砂糖をたくさん入れます。でも、ニッポンは薄い味。戸惑いました」
また、ファン・フェリシアーノ投手コーチは以下のようにコメントしています。
「強いメンタルを育むことができなければ、いい選手にはなれない。強靭なメンタルを身に付けなければ、スーパースターにはなれない」
“強靭なメンタル”と言うとどこか根性論のように古く感じてしまいます。
ただ、環境に適応できず帰国する選手がいるのも事実で大事な部分でしょう。
② 育成契約まで3年半かかったヘロニモ・フランスア投手
今は1軍で抑えとして活躍しているヘロニモ・フランスア投手。
練習生として来日したのが2014年9月で、育成契約選手となったのが2018年3月。
育成契約選手になるまで約3年半もの歳月が過ぎています。
2016年は高知ファイティングドッグスに派遣され結果を出せない時期もありました。
コンビニに行っても食べられるものがないほど食事も合わず苦労したようです。
また、当時もらっていた日当4000円もほとんど家族に送金していたとのこと。
長い下積みを経験し、今ではリーグを代表する抑えに成長。
もし途中で諦めていたら今の活躍はなく、苦労と努力の末に掴んだ成功でした。
[ 高知ファイティングドッグスでの成績 ]
14試合 1勝5敗 防御率4.43
[ スポンサーリンク ]
今回のまとめ
今回はカープアカデミー出身の育成選手と練習生を中心に話を進めてきました。
現在は2名の育成契約選手と2名の練習生が来日して支配下登録を目指しています。
一時は資金難で契約選手が4人まで減少してしまったドミニカカープアカデミー。
近年は投手・野手ともに多くの有望選手をカープに送り込むことに成功しました。
4名の選手たちが彼ら成功者たちのように1軍で活躍できるかはわかりません。
ただ、来日できたチャンスを逃さず、日本での成功を掴んで欲しいと思います。
彼らが活躍できるかどうかはカープの成績にも影響するのは事実でしょう。
20201年以降、彼らがひとりでも1軍の舞台で活躍する姿をみれることを期待しています。
[ アカデミー施設概要 ]
概要 | |
---|---|
名称 | 広島東洋カープアカデミーオブベースボール |
所在地 | KM3 1/2Carretera Mella San Pedoro de Macoris Rep.Dominicana |
電話 | 011-1-809-529-2040 |
開校 | 1990年11月 |
面積 | 270,000平方m |
※ 文章・画像など無断転載・使用はご遠慮ください