前回の投稿でストレートの平均球速について取り上げました。
そこでストレートが速いと多く投げるのかを過去の記録から検討していきます。
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平均球速150キロオーバーの投手のストレート投球割合
平均球速150キロオーバーの投手のストレート投球割合をみていきます。
メンバーは前回の投稿でピックアップした延べ52人の投手を対象としています。
あまり統一性のあるプロットの配置にはなりませんでした。
投手による傾向はわかりましたが、各投手間での統一性は特に見られません。
球速が速いからといって、高い割合でストレートを投げる訳ではないようです。
投球割合が30%以下の投手が延べ6人おり、極端な例では0に近い投手も。
図2 2014年以降の平均球速とストレート割合
※ 横軸がストレート平均球速、縦軸がストレート割合
ストレート割合が「極端」に少なくなった理由
なぜストレートが速いのにあまり投げないのでしょうか。
この理由としてストレートのナチュラルな変化が関与した可能性が考えられます。
つまり、本人はストレートのつもりでも、球種分類で変化球と判断されてしまう。
よく耳にする「真っスラ」などのナチュラル変化のボールがそうでしょうか。
真っスラとカットボールが同等に扱われたすることもありますが、厳密には別物。
ただ、その判断も「本人の意見」を取るのか、「変化の仕方」を取るのか曖昧です。
打者はカットボールと言ってても、投手は真っスラと言ったりすこともあります。
また、分析家などが判断する際にも同じ球でも別球種に振り分けられたりもします。
近年は小さく変化するボールも増え、外からの判断が難しいボールが増えています。
ボールの握り、変化の仕方、本人コメントなどにバラけずに球種判断の統一が必要です。
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2019年の傾向も変わらない
2019年も調べてみましたが、プロットはバラけて統一性はありません。
投球割合が30%を切る投手もいれば、70%を超える投手も存在しています。
先発とリリーフで分けてみましたが、特に傾向といったものは無いようです。
リリーフでは多いと予測していましたが、イメージと異なりました。
その投手の変化球やストレートの球質など様々な条件で割合が変化します。
少なからず「速いから多く投げれば良い」といったものではないでしょう。
図3 2019年の平均球速とストレート割合
ストレートの質も大事
ここまで平均球速を取り上げてきましたが、速度以外の質も大事になります。
きれいな回転のストレートを投げる投手は皆無で、少なからず変化しています。
また、それをどう扱っていくか、どう取り込んでいくかが大事になります。
単にスピードだけを比較しても、速くても簡単に打たれる投手も存在します。
逆にあまり速くなくても打てないストレートを投げる投手もいるのも事実です。
とはいえ、球速が速いのはアドバンテージなのも間違いありません。
人並外れた球速があれば、ある程度の制球ミスもカバー出来たりもします。
打者が慣れていない速度であれば、そうではないよりも明らかに有利です。
そのため球速の速い投手はいつの時代でも期待され起用されてきました。
投手であれば自身のストレートの特性を把握しておくことも必要でしょう。
自身のストレートのデータを集めることで、より深く取り組むことができます。
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ここまでわかったこと
ここまでわかったことをまとめてみよう。
- 平均球速の速さとストレートの割合は関係性は低い
- 自称ストレートを変化球とカウントされることもある
- 2019年のみを見てもその傾向は変わりない
- ストレートの球速だけでなく質も大事
- 球速が速いのアドバンテージになる
今回のまとめ
今回はストレートの平均球速とその割合を中心に述べてきました。
もっと細かなデータを出しましたが、複雑になりすぎるので一部のみとします。
ストレートが速いからといって、ストレートを多く投げるわけではありません。
その質も大事であり、その他変化球とのコンビネーションも大事となります。
とはいえ、球速が速いのは投手として魅力であるのは間違いないでしょう。
ちょうどオールスターも開催されており、ファンを魅了できるものでもあります。
プロ球界全体の平均球速が年々上がってきています。
高いパフォーマンスで素晴らしいプレーを期待しています。
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